キャピタルゲイン目当てならFXや株のほうがいい!?
景気が上向き、不動産価格が上昇すると増えてくるのが、不動産でキャピタルゲイン(=売却益)を狙おうとする人たちです。キャピタルゲインというのは、購入価格と売却価格との差益のことを指します。
一方、インカムゲインとは、安定かつ継続して受け取ることのできる現金収入のことで、ここでは家賃収入を指します。
ただ、私はキャピタルゲインを目的とするなら、不動産投資を選ばないほうが得策だと思います。私自身も不動産を保有していますが、その目的は、売却益を狙ってのものではありません。流動性に優れた株やFXのほうが扱いやすく、時間や労力を最小限に抑えられるためです。仕切るためのスピード感も、不動産の比ではありません。
不動産は、売却益を狙うにはタイムロスの多い商品
対して不動産は、手持ち資金がなくても融資を利用して始められる反面、常にその残債を視野に入れなければなりません。
購入・売却時に要する時間や手間を考えると、決して売却益のみを狙うのには向いていません。少なくとも、一日や二日で利益を確定できるほど流動性が高くないため、売り買いを重ねて儲けを出すにはタイムロスの多い商品と言えます。
したがって、不動産投資は「一定期間の保有」をベースとして収益を読み、仮にキャピタルゲインを狙える時期が来たときには、余裕をもって売却判断を行うというスタンスが正しいと考えています。
キャピタルゲインは瞬間的な「点」で収益を狙うもので、逆にインカムゲインは時間という「線」を味方にして収益を狙う手法です。
「点」の儲けを前提として融資で購入しようものなら、「売れなかった場合」にデフォルト(=債務不履行)を起こす可能性すらあります(1992年のバブル崩壊がそのいい例です)。
この話は次回に続きます。