将来の資金だから…「NISA500万円」を死守し、住宅ローンを滞納した〈年収650万円〉32歳夫。崩壊する家庭と、妻が向ける“冷ややかな目”【FPが解説】

将来の資金だから…「NISA500万円」を死守し、住宅ローンを滞納した〈年収650万円〉32歳夫。崩壊する家庭と、妻が向ける“冷ややかな目”【FPが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「完璧なライフプラン」を立てたつもりでも、予期せぬ出費の連続で一気に計画が崩れてしまうこともあります。「将来の資金だから……」と、NISA口座にある500万円を死守するあまり住宅ローンを滞納してしまった夫。そんな姿に冷ややかな目を向ける妻。なぜ完璧な資金計画のはずが、夫婦の溝を深める事態になってしまったのでしょうか。本記事では、1年かけて堅実なマネープランを立てていながら突然の資金ショートに陥ってしまった夫婦の事例を交えて、想定外の資金難への備え方についてFPの大泉稔氏が解説します。

「NISA貧乏」の悲劇…現金枯渇でも運用資金に手を付けない夫

貯金が尽きたうえに、傷病手当金も2ヵ月分が同じ日に着金するなど不規則な入金サイクルとなり、手元の現金が完全に枯渇。ついには住宅ローンの返済が滞ってしまいました。

 

しかしフウタさんには、評価額500万円に育ったNISA口座がありました。

 

これを取り崩せば急場をしのげたはずですが、真面目すぎるフウタさんは「夫婦で決めた将来のための資金だから」と、NISA口座に手を付けることを頑なに拒否。運用を優先するあまり足元の生活が破綻する「NISA貧乏」に陥っていたのです。

投資を優先した結果…夫婦の間に生まれた決定的な溝

最終的には、背に腹は代えられずNISAを一部売却したことで、支払いについては丸く収まりました。しかし、フウタさんの心には「将来の老後資金が足りなくなる」という不安と焦りだけが残ってしまったのです。

 

その後、フウタさんは病気こそ回復しましたが、真面目な性格ゆえに「計画が崩れた」という事実をどうしても受け入れられませんでした。

 

一方のミナミさんは、遠い老後よりも目の前の子育てに追われつつも、なんとか日常の幸せを取り戻そうとしていました。そんなミナミさんの目には、いつまでも将来のお金への不安に囚われているフウタさんの姿が異様に映っていました。

 

夫婦間の不協和音は大きくなるばかりで、夜、子どもが寝静まったあとのリビングでは、テーブルを挟んで重苦しい沈黙の時間を過ごすことが増えていきました。

 

将来の安心を優先するあまり、目の前にある大切な家族とのすれ違いを招いてしまったフウタさん。完璧主義から抜け出せないその執着は、家庭を少しずつ崩壊へと向かわせていたのです。

次ページ【FPが解説】いざというときに使えない「完璧なプラン」は無意味

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