「NISA貧乏」の悲劇…現金枯渇でも運用資金に手を付けない夫
貯金が尽きたうえに、傷病手当金も2ヵ月分が同じ日に着金するなど不規則な入金サイクルとなり、手元の現金が完全に枯渇。ついには住宅ローンの返済が滞ってしまいました。
しかしフウタさんには、評価額500万円に育ったNISA口座がありました。
これを取り崩せば急場をしのげたはずですが、真面目すぎるフウタさんは「夫婦で決めた将来のための資金だから」と、NISA口座に手を付けることを頑なに拒否。運用を優先するあまり足元の生活が破綻する「NISA貧乏」に陥っていたのです。
投資を優先した結果…夫婦の間に生まれた決定的な溝
最終的には、背に腹は代えられずNISAを一部売却したことで、支払いについては丸く収まりました。しかし、フウタさんの心には「将来の老後資金が足りなくなる」という不安と焦りだけが残ってしまったのです。
その後、フウタさんは病気こそ回復しましたが、真面目な性格ゆえに「計画が崩れた」という事実をどうしても受け入れられませんでした。
一方のミナミさんは、遠い老後よりも目の前の子育てに追われつつも、なんとか日常の幸せを取り戻そうとしていました。そんなミナミさんの目には、いつまでも将来のお金への不安に囚われているフウタさんの姿が異様に映っていました。
夫婦間の不協和音は大きくなるばかりで、夜、子どもが寝静まったあとのリビングでは、テーブルを挟んで重苦しい沈黙の時間を過ごすことが増えていきました。
将来の安心を優先するあまり、目の前にある大切な家族とのすれ違いを招いてしまったフウタさん。完璧主義から抜け出せないその執着は、家庭を少しずつ崩壊へと向かわせていたのです。
