(※写真はイメージです/PIXTA)

親の遺産を整理し、無事に相続税の申告を終えてホッとひと息……。しかし、数年後に突然、税務署から「お尋ね」が来るケースは珍しくありません。都内に住む会社員のAさん(58歳・男性)もその一人。慎ましく生きていたはずの母の相続から2年後、税務調査をきっかけに見つかった「開かずの金庫」から、なんと〈現金3,000万円〉が見つかりました。タンス預金が及ぼす相続税のリスクと税務調査の実態について、税理士の根津拓矢氏が解説します。

家族を想う母の「タンス預金」が招いた悲劇

あとになってAさんが思い当たったのは、母にはある「経験」があったということです。

 

それは5年前、父が亡くなった際の相続税申告です。当時、相続税の納税や手続きに家族が苦労した経験から、「子どもたちにすぐ使える現金を残しておいてあげよう」と生前から少しずつ引き出し、自宅金庫に保管していたのだと想像できます。

 

高齢者のなかには、「現金で持っていたほうが安心」「銀行は信用できない」「家族に迷惑をかけたくない」という理由で、タンス預金や金庫保管をする人が少なくありません。

 

しかし、銀行から引き出していても、その現金は相続財産です。「口座にないからわからないだろう」は通用しないのです。

【税理士が解説】「家族も知らなかった財産」があとから見つかる恐ろしさ

今回、兄弟は本当に現金の存在を知らなかったため、「仮装隠蔽」とは判断されず、重加算税までは課せられませんでした(過少申告加算税と延滞税の負担はあり)。ただし、もし相続人が存在を認識して意図的に隠していた場合は、さらに重いペナルティが課される可能性があります。

 

近年は、タンス預金や金庫保管の現金について、調査が厳しい傾向にあります。

 

相続の現場では、「家族も知らなかった財産」があとから見つかるケースは決して珍しくありません。もし自宅に開かずの金庫を見つけた場合は、業者を呼んででも早急に開けてみることをおすすめします。

 

だからこそ、相続が発生した際には、預金残高だけでなく、生前の入出金履歴や過去の相続財産、自宅保管の現金の有無まで丁寧に確認することが重要です。

 

税務調査官は、想像以上に細かく「お金の流れ」を見ています。そして、“開かずの金庫”も、決して見逃してはくれないのです。

 

 

根津 拓矢

パンタレイ税理士事務所

税理士/行政書士/CFP®/1級FP

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧