個人金融資産2000兆円だが、「日本人は預金好きで、資産があり余っている」の幻想…米国人は「使うためにお金を増やす」一方で、日本人が「お金を使えない」本当の理由

個人金融資産2000兆円だが、「日本人は預金好きで、資産があり余っている」の幻想…米国人は「使うためにお金を増やす」一方で、日本人が「お金を使えない」本当の理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

「個人金融資産2000兆円」という数字は、日本人の勤勉さの証であると同時に、世界の成長から距離を置き続けた「停滞の記録」でもあります。20年間で家計資産を3.3倍に伸ばした米国と、1.5倍に留まる日本との決定的な違いは、自分のお金をどれだけ世界経済の成長に委ねてきたかという点に集約されます。日本人が本来手にできたはずの豊かさを取り戻すためには何が必要か。代田秀雄氏の著書『オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』(Gakken)より、米国人のお金の使い方を通して、お金を「使う前提」にすることの重要性についてみていきましょう。

老後に使う、住宅に使う…米国人の「お金の使い方」

さて、先ほど紹介した米国の家計金融資産は3倍以上に増えたあと、どうなっているのでしょうか。少なくとも一般家庭の場合、運用した資産の多くが残ってしまい、相続に回されるということはあまりないでしょう。

 

日本では「使うこと」に心理的ハードルがあり、運用しても“使わずに終わる”ケースが少なくありません。私が常々強調している「お金を使うこと自体が社会への還元であり、資産運用のゴール」という考え方は、米国の資産形成文化では当たり前のことになっています。

 

「そんなに増やした資産を米国人は何に使っているのですか?」と聞かれることがあります。そこは増えた資産を“どう使うか”を常に考えている米国人と、使うのが苦手な日本人の文化の違いもあるかもしれませんが、その内容を見てみましょう。

 

私が見る限り、米国人は増やしながら使う天才でもあります。もちろん、老後2000万円問題ではありませんが、彼らにとっても老後生活をいかに豊かに幸せに暮らすかが、最大のお金の使い方なのです。しかし、それだけではありません。彼らの6つのお金の使い方についてご紹介しましょう。

 

1.老後の生活水準を上げる:自分のために使う

彼らは、運用したお金は「自分のために使うんだ」というはっきりした意思を持っています。

 

米国は自助努力型(self-help)の社会保障制度ですから、公的年金が日本ほど手厚くありません。そのため、運用で増やした資産を退職後の生活費、趣味・旅行、セカンドハウス利用などといった自らの生活の質(Quality of Life)を引き上げる支出に積極的に使います。

 

運用は「将来の安心」を買うための行為であり、使う前提で資産形成をしている点が日本と大きく異なります。

 

2.住宅資金:不動産と運用の両輪

米国でも、住宅購入は最も重要なライフイベントです。日本以上に、買い替え、住み替えが多い国ですから、運用資産の一部を適宜、住宅資金の頭金として使ったり、住宅ローン返済に活用したり、住み替えやダウンサイジングの費用などに使います。

 

日本では、一度自宅を購入すると頻繁に売買することはあまりないですが、米国は、住宅そのものが運用資産として流通しやすい市場であるため、不動産と金融資産の両輪で資産形成が行われています。上がれば売って収益を得て、もっと小さな家に住み替える、郊外に住み替える、といったことも多く行われています。

 

 

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※本連載は、代田 秀雄氏の著書『オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』(Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書

オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書

代田 秀雄

Gakken

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