AIが奪ったのは「会計士」ではなく「定型作業」
会計・税務分野は、以前から「AIに代替されやすい職業」と言われてきました。実際、仕訳入力、帳簿確認、領収書整理、データ照合など、多くの定型業務はすでに自動化されています。
米国では一部企業がAIを用いて財務報告書を作成し、監査補助まで行う段階に入っています。
しかし現実には、「会計士」という職業そのものが消えているわけではありません。
むしろ、AIによって単純作業が減った結果、人間に求められる役割が変わってきているのです。
今後重要になるのは、経営者への提案力、資金調達支援、事業承継アドバイス、M&A支援、経営分析といった、人間的な判断やコミュニケーションを伴う業務です。つまり、AIが奪っているのは「会計士」ではなく、「定型作業」なのです。
会計事務所の仕事は「税務」から「経営支援」へ
従来の会計事務所は、記帳代行、決算書作成、税務申告が主な業務でした。しかし、クラウド会計やAIが普及したことで、「数字をまとめる仕事」の価値は急速に低下しています。
一方で、経営者が求める相談内容は複雑化しています。資金繰り、インフレ対応、人材不足、海外展開、事業承継、サイバーリスクなど、中小企業経営者が抱える課題は、単なる税務知識だけでは対応できなくなっています。その結果、会計事務所は「税務代行業」から「経営支援業」へと変化し始めています。
実際、アメリカでは営業能力やコンサルティング能力を重視して採用を行う会計事務所も増えています。「数字を処理できる人」より、「経営者と対話できる人」が求められる時代になりつつあるのです。
