「これっぽっちで、本当にごめんね…」年金月14万円の73歳祖母、孫へのお小遣いを〈月3万円から1,000円〉に削った断腸の思い【FPが解説】

「これっぽっちで、本当にごめんね…」年金月14万円の73歳祖母、孫へのお小遣いを〈月3万円から1,000円〉に削った断腸の思い【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「子ども夫婦は忙しそうだから」「少しでも助けになりたい」。その思いが、いつの間にか「当たり前の過剰支援」にすり替わっていませんか? 老後の資産管理において、一度習慣化した支出を見直すのは至難の業です。しかし、限られた年金収入のなかで、なにを守りなにを捨てるべきか。本記事では、73歳女性の事例を通じ、孫への過剰な支出が老後資金に与える影響について、波多FP事務所の波多勇気氏が解説します。※紹介する事例は、相談者より許可を得て、プライバシー保護の観点から相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

習慣化した「孫への過剰支出」から脱却するために

筆者から晴子さんに提案したのは、大きく二点。一つは、お孫さんへのお小遣いを月3万円から月3,000円程度に減額し、お年玉や誕生日など特別な機会に絞って渡すこと。もう一つは、娘に正直に家計の状況を打ち明けることでした。

 

「娘さんは、お母さまのご負担に気づいていらっしゃらない可能性が高いです。お子さんを通じて間接的に渡るお小遣いの額を、親同士で具体的に話し合われたことはありますか」

 

晴子さんは、首を横に振りました。

 

ひと月後、晴子さんが再び事務所にやってきました。その表情は、初回のときとはまるで違っています。

 

「娘に話したら、泣かれてしまいまして。お母さん、ごめんね、気づかなくてって。お小遣いは月1,000円までで十分だから、これからは無理しないでって、向こうからいってくれたんです」

 

晴子さんは続けて、こういいました。

 

「最初は、これっぽっちで、本当にごめんねって。そんな気持ちがありました。でも、孫が以前ほど頻繁には来なくなって、家がとても静かになったんです。最初は寂しかったですよ。でも、自分のお茶をゆっくり淹れて、本を読んで、お友達とランチに行って。気づいたら、ちょっとせいせいしている自分に気がついたんです。貯金が減らないって、こんなに心が落ち着くものなんですね」

 

老後の家計は、なにかを足すよりも、なにかを引くことで守られる場面が多くあります。長年習慣化した支出を見直すのは、確かに勇気がいる作業です。けれど、自身の生活基盤を守ることは、結果として家族との健やかな関係を守ることにもつながります。

 

もし家族のために尽くしすぎて家計が苦しくなっていると感じたら、まずは一度、家計の流れを紙に書き出してみてください。守るべきもの、そして手放してよいものが、きっとみえてくるはずです。

 

 

波多 勇気

波多FP事務所 代表

ファイナンシャルプランナー

 

 

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※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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