お父さんが遺してくれたお金をバカなことに使ってしまいました…父の遺産200万円を失い、「裁判」を起こした48歳女性の悲劇。30年来の親友が吐露した「とんでもない真実」【弁護士が解説】

お父さんが遺してくれたお金をバカなことに使ってしまいました…父の遺産200万円を失い、「裁判」を起こした48歳女性の悲劇。30年来の親友が吐露した「とんでもない真実」【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

SNS型投資詐欺が連日のように報じられています。画面の向こう側にいる、一度も会ったことのない相手を文字だけのやり取りで信用し、数千万円、時には億を超える大金を託してしまう事件は、いまや社会問題といっても過言ではありません。一方で、インターネットが浸透する遥か前から存在する「親しい知人・友人間の金銭トラブル」も、決して絶えたわけではありません。むしろ、近しい間柄ゆえに問題の発覚は遅れ、心理的なハードルが解決をさらに難しくさせるケースも多いのです。今回は、詐欺、悪質商法の被害救済に注力する市川巧弁護士が、親友という固い絆があったからこそ起きてしまった、ある意味で「よくある」、しかし当事者にとっては「あまりに過酷」な事例を紹介します。

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30年来の親友から受けた「相談」

ともに48歳の美波さんと友香さん(仮名)は、大学時代に出会ってから30年近く、親友として付き合ってきた仲です。社会人になってからは会う頻度が減ってたものの、折に触れて連絡を取り合ったり、ランチに行って近況を話したりと、良好な関係が続いていました。

 

あるとき、美波さんは友香さんからこれまでにない切実なトーンで相談を持ちかけられます。「1ヵ月後に1割上乗せして返すから、200万円を貸してほしい」というのです。

 

ちょうどそのころ、美波さんは亡くなった父親から500万円の遺産を相続したばかりで、手元にはまとまったお金がありました。美波さんは、長年の親友の頼みでもあり、場合によっては1割上乗せしてくれなくても、貸した200万円がそのまま返ってくればそれでいいと考え、友香さんに200万円を渡すことに……。

 

ところが、約束の1ヵ月を過ぎても、2ヵ月が経っても、友香さんからは返済どころか、その件に関する音沙汰すらありません。美波さんは、親友の友香さんに、お金のことで催促するのは気が引けて、半年間待ち続けます。しかし、やっぱりなにもいってこない友香さんに対し、さすがの美波さんも限界を感じて、200万円について尋ねることにしたのです。

200万円が消えた理由

友香さんはいいにくそうに告白しました。

 

「実は、LINEで知り合った、50代のイタリア人医師からプロポーズされたの。彼に『一緒に2人の財産を増やそう』と持ち掛けられて……。それで、私の全財産の800万円と美波から借りた200万円を合わせて、1,000万円を暗号資産に換えて、彼に送った」

 

美波さんは聞きながら眩暈がしてきましたが、詳しく状況を聞くと、さらに状況は最悪でした。

 

「そのあと、些細なことから彼とLINEで口論になっちゃって。そこからLINEをブロックされて、連絡が取れなくなってしまったの……。ええ、彼とは一度も会ったことがないし、LINE以外の連絡手段がないから、もう連絡の取りようがなくて、1,000万円が返ってくるアテはないの……」

 

友香さんが話した内容は、典型的なSNS型投資詐欺そのものでした。

 

「もう私にお金はないから、美波に200万円を返すことはできない。謝って済むことじゃないのはわかっているけど、謝ることしかできない。本当にごめんなさい……」

 

美波さんは頭に来ました。自分の父親が遺してくれたお金が、そんなバカな話で失われてしまった――。たまたま父の遺産を相続したことで手元にお金の余裕があったというのも事実ですが、親友の友香さんの頼みだったから、200万円もの大金を渡したのです。

 

それでも美波さんは、長い付き合いの友香さんと、決定的に関係が破綻することは避けたいと考えました。

 

まずは、弁護士に依頼して、友香さんに対して200万円の返済を求める内容証明郵便による通知書を送ってもらいました。しかし友香さんは、通知書に記載した期限までに200万円を返済せず、代理人の弁護士に対しても、なんの連絡も寄越しません。

 

弁護士は美波さんに、「貸金返還請求訴訟を起こすしかない」と伝えましたが、美波さんは動揺します。裁判になったら、それこそ友香さんと抜き差しならない事態になると思ったからです。そう思うと、どうしても躊躇してしまいます。また、それまで平穏に生きてきた彼女にとって、裁判の原告や被告になるなど想像もつかないことでした。悪いのは友香さんであり、自分はなにも悪くないはずなのに、「裁判」という響きを聞くだけで怖くなってしまいました。

 

結局、美波はそれから半年ものあいだ、悶々とするばかりで、身動き一つ取ることができませんでした。
 

 

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