(※写真はイメージです/PIXTA)

アメリカ合衆国ではイースターを終え、4月15日の確定申告期限も過ぎました。ドナルド・トランプ政権下で導入・拡充された税制の影響が続くなか、日米双方に所得を持つ納税者の増加により税務対応は一層複雑化しています。2026年4月末に『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』を刊行したばかりの奥村眞吾税理士が解説します。

地政学リスクとアメリカ経済への影響

一方で、イランとの緊張関係の影響などにより、アメリカ経済には不安定な状況が見られます。ガソリン価格はガロンあたり6ドルを超え、国民生活への負担も増しています。そのような状況下においても、税務上の義務は継続しており、期限後であっても申告や納税の対応が求められます。

 

税制面では、ドナルド・トランプ政権下で導入・拡充された施策の影響が現在も色濃く残っています。いわゆる「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」により控除項目が広がり、還付額が増加する傾向が見られます。

暗号資産課税の実務と申告リスク

特に注目されるのは、申告書1040に設けられた「Digital Assets(デジタル資産)」の項目です。

 

暗号資産の受領・売却・交換・廃棄の有無について申告する必要があり、期限後申告であっても虚偽があれば重いペナルティが課されます。この点は日本の制度と比較して特徴的です。

 

米国では暗号資産は資本資産(Capital Assets)として扱われ、売却時に課税されます。保有期間が1年以下の場合は10〜37%、1年を超える場合は0〜23.8%の税率が適用されます。また、損失が発生した場合には最大3,000ドルまで他の所得と相殺することが可能です。

 

さらに、2025年以降は「1099-DA」という新たな報告制度により、暗号資産取引の情報がIRS(内国歳入庁)へ直接通知される仕組みが導入される予定です。これにより、申告漏れの把握が一層強化されると見込まれています。

低い申告率と厳格なペナルティ

現状では暗号資産の申告率は必ずしも高くなく、地域差も存在しますが、無申告や過少申告に対するペナルティは20%から最大75%と非常に厳しいものとなっています。また、取引所にも厳格な報告義務が課されており、今後は申告の適正化が進むと考えられます。

 

日本においても2027年以降、暗号資産の税制は米国に近づく見込みですが、ペナルティの厳しさには依然として差があります。暗号資産市場の拡大を踏まえると、不正申告への対応強化により、過度な資産課税に依存しない税収確保の可能性があると考えられます。

 

 

奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表

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