「このまま一人で大丈夫か」浴室での出来事が変えた老後
その出来事をきっかけに、佐々木さんは退職後の生活を見直しました。
「完全に仕事をやめるのではなく、外との接点を持つほうがいいのではないかと思いました」
最初に考えたのは、体を動かす習慣と、人との関わりを維持することでした。その延長として、「働く」という選択が浮かんだといいます。
「収入のためというより、生活のリズムを保つためです」
65歳以降も働くことを前提に、再雇用や短時間勤務の可能性を検討し始めました。フルタイムではなく、週に数日の勤務を想定しています。
高齢期においても、働き方を調整しながら就業を続ける選択肢は広がっています。
佐々木さんは、生活環境についても見直しを進めました。浴室には手すりを設置し、転倒防止マットを敷くなど、安全面の対策を取りました。また、携帯電話を常に持ち歩く習慣もつけたといいます。
「一人で暮らす以上、想定しておくべきことがあると分かりました」
資産が減ったわけでも、生活がすぐに変わったわけでもありません。ただ、浴室での出来事を境に、「何に備えるべきか」の優先順位が変わりました。
「これまではお金のことばかり考えていました。でも、実際にはそれだけでは足りなかった。働くかどうかは自由だと思っていましたが、自分の場合は“続ける理由”ができた感じです」
老後の選択は一つではありません。資産があっても、その使い方や日々の暮らし方によって、取るべき行動は変わってきます。佐々木さんにとって浴室での出来事は、それまで当たり前だと思っていた生活のあり方を見直すきっかけになりました。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
