「近すぎないから続く」娘家族との新しい距離感
住み替え後、真紀さん一家との関係も変わりました。電車で30分ほどの距離になり、以前より会いやすくなった一方で、同じ家で暮らしているわけではありません。
「孫の顔を見たいときに会える。でも、毎日の世話を頼まれるわけではない。私たちにはそれがちょうどよかったんです」
週末には、真紀さん一家がマンションを訪ねてくることがあります。共用ラウンジでお茶をしたり、近くの公園へ出かけたりすることも増えました。
ただ、佳代子さんは「距離が近くなったからこそ、線引きは大事にしている」と話します。
「娘が忙しそうだからといって、こちらから何でも手を出すと、お互い疲れてしまうと思うんです」
真紀さんも、両親の住み替えを前向きに受け止めています。
「同居ではないけれど、何かあったときにすぐ行ける距離になったのは安心です。母も以前より元気に見えます」
夫婦にとって、タワマン上層階での暮らしは、単なる憧れではありませんでした。見晴らしのよさ以上に大きかったのは、日常の負担が減り、娘家族と適度な距離を保てるようになったことです。
もちろん、すべてが理想通りというわけではありません。管理費や修繕積立金は今後も見直される可能性があります。国土交通省『令和5年度マンション総合調査』でも、管理費・修繕積立金を3ヵ月以上滞納している住戸があるマンションは30.1%とされ、マンション管理には継続的な費用負担が伴います。
「だからこそ、月々いくらかかるかはかなり確認しました。イメージだけで決めたわけではありません」
大きく何かが劇的に変わったわけではありません。けれど、階段や庭仕事に追われる日々はなくなり、娘家族との距離も近すぎず遠すぎないものになりました。
「これが私たちの答えだったんだと思います」
老後の住まいに、誰にでも当てはまる正解はありません。清水さん夫婦は、暮らしの負担を軽くするために住まいを変えました。タワマン上層階への移住は、夫婦にとって、安心と自立を両立させるための選択だったのです。
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