あっという間に過ぎた5年…資産はさらに増加も「やりすぎた」
母の介護を始めて5年、健一さんの資産は減るどころか増えています。唯一大きな出費があったのは、母のための実家のリフォーム。800万円ほどかかりましたが、投資の運用益がそれを上回っているのです。
年金収入もあり、経済的な不安は一切ありません。しかし今思うのは、「増やすだけじゃなく、使うんだった。老後まで待たず若いうちに」。
父の言葉に対しても、「俺は、やりすぎました。お金を使っていれば、もっと楽しいことがあったのかも。経験できていたのかも。でも、時間は戻ってこないじゃないですか」――そう静かに笑います。
自由になれるタイミングと親の介護が重なるリスク
「介護給付費等実態統計月報(2024年)」では、80〜84歳で約26%、85歳以上では約60%が要支援・要介護認定を受けています。
定年してから人生を楽しもうと思っていると、ちょうど親の介護が重なってしまった――タイミングとして、それは決して珍しくありません。
「このままいくと、お金の使い道は自分の老人ホームくらいかな。ちょっといいところに入れそうです。ただ、それが果たして『幸せなお金の使い方』なのか……」
若い頃、父に言われた言葉は確かに正しかった。お金の不安はない。生活に困ることもない。それでも、後悔はぬぐえません。
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