退職給付金スキームのカラクリと決定的な落とし穴
もし、トモカさんが広告業者の説明を受けた場合、どうなっていたのでしょうか。典型的な流れをご紹介します。
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その間、基本手当(失業給付)については「受給期間延長」を行い、すぐには受け取らない。
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そして一定期間後、回復したとして求職活動を開始し、「就職困難者」として基本手当を受給する。
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さらに早期に再就職すれば、再就職手当が支給される。
一見すると合理的で、制度として成立し得る流れです。しかし、ここには決定的に重要な前提があります。それは、「すべて実態に基づいて判断される」という点です。
実態と異なる申請を行った場合、不正受給と判断される可能性があるため、注意が必要です。
「うつ病と診断されればOK」といった単純な話ではない
雇用保険制度における「就職困難者」には、障害者のほか、統合失調症、うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの精神疾患を有する者も含まれる場合があります。ただし、これは単に診断名があるだけで認定されるものではないのです。
就労制限の程度や医師の意見、日常生活への影響、求職活動の可否などを総合的に判断し、ハローワークが個別に認定します。また、基本手当そのものも、「働く意思と能力があり、就職できない状態」であることが前提です。さらに、疾病を理由とした離職が特定理由離職者として認められる場合も、客観的資料に基づく判断が必要となります。
つまり、「診断を受ければ自動的に長期給付になる」といった単純な話ではないのです。
