節税に適した高級車と不適切な高級車
実際、2人乗りのスポーツカーを経費にしようとした際、税務署から「この車を取引先の送迎にどう使うのですか?」と指摘されたケースがあります。2人しか乗れない車では、接待や送迎という名目には無理があるからです。
実務上、社用車として安全な選択肢となるのは、4ドアのセダンやアルファードのような車種です。また、事業との関連性を説明しやすくするために、日報などの記録をしっかり残しておくことも重要です。
また税金対策として高級車を買う場合、自社の財務状況に合わせて、最適な保有形態を選ぶことが大切です。
◆急成長企業の場合…中古車
利益の波が大きく、突発的に大きな利益が出るような企業の場合、「中古車」が最適でしょう。
特に「3年10ヵ月落ち」の中古車の場合、税金の計算上耐用年数が最短の「2年」となり、購入額を初年度で全額経費にすることが可能です。その年の税負担を一気に圧縮し、キャッシュを社内に残す効果があります。
◆安定的に収益が出ている企業の場合…新車
これは「新車」が向いています。6年かけて安定的に経費を計上するほうが資金繰りや財務のバランスがよく、また最新モデルに乗ることで企業のブランディングにも寄与するかもしれません。
◆保守的な経営者の場合…カーリース
突発的な出費を避け、管理を楽にしたい安定志向の経営者の場合、「カーリース」が向いているでしょう。車検代や税金が毎月のリース料に含まれるため、キャッシュフローの予測が立てやすくなります。
ただし、トータルの支払額は購入より割高になる傾向があるため注意が必要です。
購入時は「出口戦略」までセットで考える
続いて、車を安く購入することと同じくらい重要なのが「売却時の戦略」です。
車を購入して減価償却するだけでは、実質的には「課税を先送りしている」に過ぎません。しかし、節税のために減価償却を進めた車を売却すると、売却益が発生し、これは法人の利益として課税対象になります。
購入する段階から、この売却益をどのように処理するか、つまり売却益の「出口」を考えておくことが重要です。

