「優待目的で買ったのに…」投資家を震わせる“突然の廃止発表”。株主優待投資に潜む落とし穴【経済評論家が解説】

「優待目的で買ったのに…」投資家を震わせる“突然の廃止発表”。株主優待投資に潜む落とし穴【経済評論家が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

物価高が続くなか、食事券やQUOカード、自社製品などがもらえる「株主優待」に注目する個人投資家は少なくありません。優待株投資の利回りを高めるには「どの価格で買うか」が重要であり、さらに優待制度の突然の廃止や内容変更といったリスクにも注意が必要です。本記事では、株主優待を効率よく獲得する投資手法「優待取り」の基本から、利回りを高める考え方、そして見落としがちな注意点まで、杉村富生氏の著書『月々10万円、年120万円がず〜っと入ってくる 毎月配当株投資』(すばる舎)から一部を編集・抜粋し、解説します。

個人投資家には有利に働く優待制度だが…問題は「不平等さ」

次は、優待取りの注意点について考えてみたいと思います。まず、優待品は使いやすさも大切です。その意味では、コンビニでも使えるクオカードは便利ですね。ただ、地方にはコンビニのない地域もあります。

 

独立系技術商社のサンワテクノス(8137)は、「近くに使える店舗がない」との抗議を受け、それまで贈呈していたクオカードを廃止しました。筆者はクオカードのほうが使い勝手がよいと思いますが、その代わりに2026年3月期より、100株所有でも2000円分のデジタルギフトがもらえるようになりました。

 

また、特定の場所に出かけていかないと使えないような優待も困ります。例えば、東京、大阪限定の施設利用券、チケットなどをもらった場合、高い交通費を払って行かねばならない地方在住の人は、足が出てしまいます。

 

さらに、最近は保有期間(1年以上など)、所有株数によって差をつける企業が増えています。やはり、配当もそうですが、株主優待制度は「長期保有」を前提にしています。その点、短期売買には向いていません。

 

それと、株主優待はご存じのとおり、企業が株主に対して自社製品などの優待品を贈る制度です。これは小口(個人)投資家には有利ですが、大口(機関投資家などの大手)投資家にとっては不利な制度です。最低売買単位の100株所有していればもらえる優待品が多く、この点、所有株数に応じてもらえる金額が増える配当とは、根本的な違いがあります。

 

このため、外国人、機関投資家、法人株主などは「不公平だ」と批判しているようです。すなわち、「不公平であること、不平等なこと」が株主優待制度の最大の問題点といえます。このような声を受け、最近は株主優待制度を廃止するケースが増えています。

 

全国保証(7164)は、200株以上所有の株主に対し、3000円相当のクオカードを贈呈していましたが、2026年3月期をもってこの株主優待制度を廃止することにしました。

 

[図表2]全国保証(7164)の週足

 

廃止する理由について会社側は、「当社の株主還元の方向性について社内で慎重に検討を重ねました結果、株主優待制度の目的の一つであった知名度向上に貢献できたと判断したため、株主優待制度について現状においては廃止し、今後は配当等による利益還元を行っていくことといたしました」と発表しています。

 

さらに、アクティビストと呼ばれる物言う株主は、この制度は「費用対効果が乏しく、成長戦略がおろそかになる」とし、会社を突き上げています。

 

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※本連載は杉村富生氏の著書『月々10万円、年120万円がず〜っと入ってくる 毎月配当株投資』(すばる舎)から一部を編集・抜粋したものです。

月々10万円、年120万円がず〜っと入ってくる 毎月配当株投資

月々10万円、年120万円がず〜っと入ってくる 毎月配当株投資

杉村 富生

すばる舎

インフレ時代には、お金に働いてもらうことが不可欠! 生活費の足しに、たまの贅沢の原資に、子や孫の小遣いに、自己投資の経費として……etc. 溜め込んだまま終わるのではなく、継続的に配当金が手もとに入ってくるような…

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