「まさか私たちが…」見直しを迫られた老後の設計
通帳を見ながら、敏夫さんは思ったといいます。
「まさか自分たちが、こんなふうに不安を感じる側になるとは思っていませんでした」
夫婦は生活の見直しを始めました。旅行の頻度を減らし、日常の支出も再点検。それに加え、敏夫さんは週数日の軽作業の仕事を始めました。
「収入のためというより、減る一方ではない状態をつくりたかったんです」
京子さんも、「今あるお金をどう使うか」を意識するようになったといいます。
「数字だけ見て判断していた部分があったと思います。実際には、生活はもっと変動するものなんですよね」
老後資金は、単純な残高だけで測れるものではありません。健康状態、家族関係、住まいの状況など、さまざまな要素が重なり合って変化していきます。
「余裕があると思っていると、逆に見直しが遅れるのかもしれません」
現在、夫婦は以前よりも現実的な目線で生活設計を組み直しています。
「楽しむことをやめたわけではありません。ただ、今とこれからのバランスを考えるようになりました」
老後の生活は、用意した金額だけでは測れません。想定が崩れたときにどう動くか――その選択が、暮らしの安定を左右するのかもしれません。
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