スマホが顔面直撃…不眠に陥ったワケ
田中さんは、朝起きてすぐにスマホを手に取り、前日の値動きやニュースを確認。9時の取引開始を待ちきれず、気づけば何度もアプリを開いてしまいます。食事中もスマホを手放せず、アルバイト中も気になって仕方がありません。
「こっちを買っていれば、もっと上がっていたのに」
「なんであのとき売らなかったんだ」
取引時間外になっても、後悔と仮定の繰り返し。スマホを握りしめたまま布団でも画面を見続け、気づけばそのまま寝落ち。スマホが手から滑り落ちて顔面を直撃したこともありました。
こうして、生活リズムはみるみる崩れていきました。
株価が上がれば気持ちは高揚しますが、それでも「もっと上がっている銘柄がある」とわかれば、悔しくなります。下がれば「今日こそ上がれ」と祈るような気持ちに。
感情は、まるでジェットコースターのように揺れ動き、かつての楽しみだった盆栽や散歩にも身が入らなくなりました。
「いま暴落しているかもしれない」「売った方がいいのか、待った方がいいのか、買い替えるべきか」。そんな不安や迷いが、常に頭から離れないのです。
安心の老後を手に入れるために始めたはずの投資は、いつの間にか田中さんの心の平穏を激しく蝕んでいました。

