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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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香港・シンガポール・タイ・マレーシア…移住先としての格付け
(1)香港
香港は、日本からいちばん近いタックスヘイブンです。法人税率は16.5%(200万香港ドル=約4,000万円までの利益については8.25%)、個人所得税率は最高17%、金融所得に非課税、相続税・贈与税なし等、魅力的な税制です。
在留日本人数は2万人を超えており、日本人が生活するうえで必要なものは一通りそろっています。しかも、日本から飛行機で約4時間と近く行き来しやすいため、日本にビジネスを持ちつつ海外移住をしたいという方に人気です。
一方、長期ビザは少し面倒です。投資をすることで取得できる「投資移民ビザ」はありますが、申請前の2年間に3,000万香港ドル(約6億円)以上の資産を保有し、かつ、香港で今後3,000万香港ドル(約6億円)以上を投資する人が対象ですので、ハードルが高いです。香港に会社を自分で作り、株主・取締役としてビザを取得するのが、最も現実的な方法でしょう。
また、物価の高さもネックです。香港で食事をすると、だいたい東京の2倍以上の値段です。最も高いのは不動産で、日本人の多く住むエリアで50平米くらいの広さのコンドミニアムの場合、家賃は4万香港ドル(約80万円)を下りません。およそ東京の3倍かかるイメージです。
(2)シンガポール
シンガポールは、日本から2番目に近いタックスヘイブンといってよいでしょう。法人税率は17%(さまざまな形で軽減税率あり)、個人所得税率は最高17%、金融所得に非課税、相続税・贈与税なし等、魅力的な税制です。
在留日本人も約3万人で、香港以上に日本人が生活をするのに必要なものはそろっています。また、街並みがきれいでゴミひとつ落ちておらず、清潔感という点では断トツでしょう。そのおかげもあって、富裕層の移住先、とくにファミリーで移住する場合の移住先として人気です。
一方、長期ビザは少し面倒です。香港と同様に、シンガポールに自分で会社を作り、株主・取締役としてビザを取得するのが最も現実的な方法です。しかも、香港と比べてビザ取得のハードルは高めです。
また、日本から飛行機で約8時間と、ここにあげた4都市のなかでは最も遠く、日本と頻繁に行き来するにはやや面倒です。香港と同じく、物価の高さもネックです。シンガポールで食事をすると、だいたい東京の2倍以上の値段です。最も高いのは不動産で、日本人の多く住むエリアで50平米くらいの広さのコンドミニアムの家賃が6,000シンガポールドル(約70万円)は下りません。およそ東京の3倍かかるイメージです。
(3)タイのバンコク
バンコクはタックスヘイブンではありませんが、海外法人を使うことで、事実上タックスヘイブンと同様に暮らすことができます。
在留日本人は約5万人と、ここで比較している4都市のなかで最も多く、日本人が生活をするのに困ることはないでしょう。
長期ビザとして最もポピュラーなのは「タイエリート」という購入するタイプのビザで、5年間有効のビザの場合、90万バーツ(約360万円)です。ほかにも、リタイアメントビザや保護者ビザ(子どもが学校に通う場合に保護者が取得できるビザ)がありますので、「ビザを取れないから移住できない」といったことはありません。
日本からのフライトは約6時間半で、この4都市のなかでは中くらいの距離です。
タイ移住でポイントとなるのが物価です。格安といわれた時代は過ぎ去りましたが、それでも、日本人が多く住むエリアでは50平米くらいのコンドミニアムに10万円程度の家賃で住むことができます。
(4)マレーシアのクアラルンプール
マレーシアの長期ビザとして最もポピュラーなものは、MM2H「My Malaysia 2ndHome」ですが、2021年と2024年の改正でかなりハードルが上がり、使いにくくなってしまいました。クアラルンプールには母子留学している方が多いのですが、母子留学によく使われているのが「保護者ビザ」(子どもが学校に通う場合に保護者が取得できるビザ)です。その他、フリーランス・リモートワークの方には、デジタルノマドビザがよく使われています。
日本からのフライトは約7時間、この4都市のなかでは若干遠いほうです。
クアラルンプール移住でも、ポイントとなるのは物価です。マレーシアもタイ同様、格安といわれていた時代は終わりましたが、日本人が多く住むエリアで50平米くらいのコンドミニアムには、いまでも10万円くらいの家賃で住むことができます。
クアラルンプールは移住先としてもよく名前が挙がるのですが、在留日本人はそれほど多くなく、1万人弱です。そのため、日本人向けのサービスは、ここに挙げた4都市のなかでは少し弱いといえます。
4都市の移住しやすさを格付けしてまとめると、図表1、2のようになります。
もちろん、最後は好みですので、「移住して生活していけるか?」という目線で、これらの都市を実際に訪れるのがよいでしょう。
小峰 孝史
OWL Investments代表取締役
弁護士
※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新の法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください
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