「お父さん、また同じ話してる」…娘が感じた強烈な違和感。年金月22万円・74歳男性が免許返納で「50年ぶりに車のない暮らし」も、まさかの代償【CFPの助言】

「お父さん、また同じ話してる」…娘が感じた強烈な違和感。年金月22万円・74歳男性が免許返納で「50年ぶりに車のない暮らし」も、まさかの代償【CFPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

地方で暮らす高齢者にとって、自動車は生活の一部ともいえる存在。一方で、「安全のため」「お金がかかるから」といった理由で免許を返納するケースも増えています。もちろん、返納自体は悪いことではありませんが、車に乗れなくなったことで、生活全体に影響するような「思わぬ変化」に直面することもあります。今回はトータルマネーコンサルタント・CFPの新井智美氏が、高齢者の免許返納で生じる問題や注意点について解説します。

「家でひたすらぼんやりする毎日」

しかし、返納後すぐに生活の変化を実感します。

 

和男さんの住む地域は、最寄りのスーパーまで徒歩25分、バスは1時間に1本程度。病院や銀行に行くにも、乗り継ぎが必要です。これまで7~8分で到着して40分もあれば帰ってこれた買い物が、往復で2時間以上かかるようになりました。

 

タクシーを利用すれば便利ですが、片道:約1,500円(往復:約3,000円)。週2回利用すると、月24,000円(年間約29万円)。シニア向けの1割引きを使っても、車の維持費を上回る計算です。

 

ただ、そうした不便はある程度予測ができるものだったため、娘はあらかじめ「何かあったら言ってね。私、買物だってなんだって手伝うから」と言ってくれていました。しかし、和男さんは頼ることをためらいました。

 

「忙しいだろうし、迷惑をかけたくない」、「これくらい自分で何とかしないと」という気持ちが強かったからです。

 

妻がいた頃は、ちょっとした用事でも気軽に相談できました。しかし今は、すべて自分で判断しなければなりません。 

 

移動の不便さと心理的な遠慮が重なり、外出の頻度は大きく減少しました。以前は週に3~4回出かけていたのが、週1回程度に。

 

それに伴い、趣味の釣りをやめる・近所づきあいが減る・会話の機会が減るといった変化が現れます。「家でひたすらぼんやりするだけ」という時間が増えていきました。

1年後に見え始めた異変

免許返納から約1年後、娘が感じたのは、同じ話を繰り返す、約束を忘れる、表情が乏しくなるといった、父の変化でした。

 

「お父さん、その話何度も聞いたよ。最近ボーっとしてることも多いし……病院行ってみようか」

 

医療機関では、軽度認知障害(MCI)の可能性があると指摘されました。 もちろん、免許返納が直接の原因とは言い切れません。ただし、「外出や人との関わりが減ったこと」が影響している可能性は十分に考えられます。

 

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