「正解だったはずの選択」でも、揺らぐ理由
ある夜、子どもを寝かしつけたあと、夫婦で将来の話をしていたときのことでした。
「ねえ、あのときのマンション、やっぱり良かったよね」
それは、これまで口にしたことのない本音でした。
「生活は今のほうが楽かもしれないけど、もし都内に住んでいたら、もっと違う毎日だったのかなって」
総務省『家計調査(2025年)』によると、二人以上の世帯の消費支出は月31万4,001円です。住宅にかかるコストを抑えることで生活の余裕は生まれますが、その一方で、時間や利便性といった別の価値を手放している可能性もあります。
「お金の面では、今のほうが間違いなく安心です。でも、それだけで“満足しているか”と言われると、少し違う」
住宅購入は、多くの場合「そのときの最適解」を選ぶ行為です。しかし時間が経てば前提が変わり、別の選択肢が魅力的に見えることもあります。
健介さん夫婦にとって、当時の判断は間違いではありませんでした。ただ、その選択が唯一の正解だったとも言い切れない――そんな感覚が残っているといいます。
「あのときの選択を後悔しているわけではないんです。でも、“もう一度選べるならどうするか”と聞かれたら、少し考えてしまいます」
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
