1日の生産性を高めたい…朝の3分・30分・90分をどう過ごすか
ここからは、それぞれの時間帯でやったほうがいいこと、やるべきでないことについて紹介します。
まずは起床後の時間です。この時間帯は、脳が休息から回復したばかりでリフレッシュしています。この時間に何をするかで、1日の生産性や結果が大きく変わると言ってもいいでしょう。所要時間別に、おすすめの過ごし方を紹介します。
朝の過ごし方1:1日の意図を決める(所要時間…3分)
時間がない人でも、できればこの時間に、どんな1日を過ごしたいかという「意図」を設定してみてください。コーチングでは、人間は「意図」によって行動を決めていると考えられています。「今日はこんなふうに過ごしたい」「この仕事だけはやりきろう」など、カレンダーを見ながら1日の予行演習をするといいでしょう。
3分程度の時間があれば、今日予定されている出来事がすべて良い方向に進んでいる、というイメージをするのもおすすめです。これは、スポーツ選手のメンタルトレーニングと同じです。
1日の予定を立てようとすると、ついスマホを開きたくなるかもしれません。カレンダーを確認するくらいなら問題ないでしょう。ただし、朝イチでメールやチャット、SNSを確認するのはおすすめしません。なぜなら、メールやチャット、SNSに書かれているのは主に「他人のアジェンダ」(要件)だからです。うっかり見てしまうと、そこに書かれている内容が気になり、自分のことに意識が向きません。
朝一番にそれらに返信することは、自身が本来やるべきことよりも相手のアジェンダのほうが大事だと、相手に対しても、自分に対しても認めていることになります。他人のアジェンダで1日を始めない。これが、時間の満足度を高める上で、とても大切です。
朝の過ごし方2:解決したい課題を書き出す(所要時間…30分)
もし30分程度の時間があるなら、仕事で解決しなくてはならない直近の課題を、手帳やメモなどに簡単にリストアップするのもおすすめです。
1980年代に人気を博した米国のテレビドラマ『冒険野郎マクガイバー』のクリエイター、リー・デイヴィッド・ゾロトフ氏は、著書『ザ・マクガイバーシークレット』で、創造的な発想と問題解決について述べています。
主人公のマクガイバーは、行く先々で答えのない困難な課題に直面しますが、身の回りにある道具をうまく使い、機転を利かせて危機を乗り越えます。ゾロトフ氏はこのテレビドラマを作るとき、デスクに座っている時にはアイデアが思いつかないのに、運転していたりシャワーを浴びていたりするときにアイデアがたくさん出てくるのに気がつきました。
なぜだろうと不思議に思って考えた結果、テレビドラマの制作とは関係がない運転やシャワーなどの行動が、問題を潜在意識レベルに落とし込み、解決へと導く役割を果たしていると気づいたそうです。つまり、「この課題を乗り越えたい」と意識すると、脳はそのための情報を無意識のうちに集めたり、つなぎ合わせたりして、自然と解決に導こうとする、というわけです
『ザ・マクガイバーシークレット』で紹介されている考え方は、私たちの課題解決にも応用できます。ここでは、実践しやすい3つのステップに整理して紹介しましょう。
1.質問を紙に書く…解決したい課題や問いを、具体的な質問形式で紙に書き出します。
2.別のことをする…質問を書き終えたら、一旦その問題から離れ、朝食作り、皿洗い、軽い運動など、脳への負荷が低い別の活動に切り替えます。
3.再度、頭に浮かんだことを書き出す…しばらく時間をおいた後、書き出した質問について、頭に浮かんだことを何でも自由に書き出します。この時、自然と解決策やアイデアが現れることがあります。1日で現れないこともありますから、焦らずに、何日も繰り返してみることをおすすめします。
この方法は、実際に試した多くの人が「本当に役立った!」と驚きます。実は私たちの脳には、何か特定のことに集中しているときだけでなく、ぼーっとしているときや、リラックスした状態のときにも活発に働いている部分があります。バックグラウンドで活動するこの脳のネットワークは「デフォルトモードネットワーク」(DMN)と呼ばれ、私たちが意識しないうちに、これまでの記憶を整理したり、一見関係のない情報同士を結びつけたりして、新たなアイデアや深い洞察を生み出すと考えられています。
1~3まですべて行う時間がない場合、1の「質問を紙に書く」という行為をするだけでもいいでしょう。日中の活動中にふと解決策がひらめくことがあります。

