時間が足りない人は、「お金も足りない」と“思い込んでいる”
時間と切っても切り離せないのがお金であり、この2つには興味深い法則があります。それは「時間がないと思っている人は、お金も足りないと思っている」ことです。実際に長時間労働によって収入を確保しなければ生活できないという方もいますが、たとえ十分な収入があっても「足りない」と感じている人もいます。
その原因として考えられるのが、「欠乏のマインドセット」を持っていることです。「足りない、足りない」というフィルターを通して世界を見ている人は、いくら時間やお金があっても足りないと感じてしまいます。
脳が「足りない点」ばかりを重要とみなす「欠乏のマインドセット」
私たちの脳には、「網様体賦活系」(RAS)という機能があります。これは主に脳幹に位置し、覚醒レベルや注意の向きやすさを調整する働きを担っているといわれています。
私たちは常に膨大な感覚情報にさらされていますが、RASはそのなかでも「新しい」「重要そう」「感情的な意味を持つ」といった刺激を優先的に脳へ通す役割を果たします。例えば、「赤い車が欲しい」と思ったら、街中で赤い車ばかりが目につくようになる、といったことがありますが、これは、目標や関心のある情報に注意が向きやすくなるためで、RASを含む注意の仕組みが関与していると考えられています。
RASは「生きる上で必要か」「危険はないか」「今の目標に関係あるか」「効率がいいか」といった基準で、前頭前野などの高次の脳領域と連携して、私たちの注意の向く先を調整しています。
「欠乏のマインドセット」とは、このRASが「リスク」「足りない点」「うまくいっていない証拠」「他人との比較」「過去の失敗パターン」といったものばかりを重要だと判断するように“訓練”されてしまった状態です。
一度このフィルターができてしまうと、たとえ客観的に見て豊かな状況でも、脳は「足りない証拠」ばかりを探し出して、あなたに「やっぱり足りない」と教えてしまうのです。


