貯金しすぎたかもしれません…資産9,000万円・年金15万円の71歳元会社員がポツリ。望み通り「安泰の老後」は手に入れたが、胸に広がる虚無感

貯金しすぎたかもしれません…資産9,000万円・年金15万円の71歳元会社員がポツリ。望み通り「安泰の老後」は手に入れたが、胸に広がる虚無感

安心して老後を過ごすうえで、経済的な余裕が大きな支えになることは間違いありません。医療費や生活費の不安を軽減し、選択肢の幅を広げてくれるという意味でも、お金は多いに越したことはないでしょう。一方で、「お金さえあれば老後は安心で、幸せに暮らせるのか」と問われると、必ずしもそうとは言い切れません。今回は、お金に不自由のない状況にありながら、別の悩みを抱えることになった事例を見ていきましょう。

1人が好きでも「本当に誰とも関わらない」のは苦しい――太郎さんの変化

太郎さんに限らず、友人がいないということは決して珍しくありません。

 

株式会社クロス・マーケティングが20代~70代を対象に実施した「人間関係に関する調査(2025年)」によると、「友人がいる」と答えた人は全体の70%で、「いない」と回答した人も30%にのぼります。特に男性では34%が「いない」と回答しており、女性(26%)を上回っています。

 

いない=悪いことではなく、あえて1人を選ぶ人もいるでしょう。太郎さんもそうでしたが、肉親を失ったことで感じ方が変わったといいます。

 

精神的な落ち込みが強くなり、医療機関を受診した太郎さんは、外に出て人と関わる機会を持つよう勧められました。そこで、地域のボランティア活動に参加するように。

 

「行ってみると自然に会話が生まれました。かなり勇気はいりましたけどね」

 

その後、ボランティアを通じて知り合った人に誘われ、ウォーキングやバードウォッチングの集まりにも参加するように。頻繁ではないものの、定期的に顔を合わせて言葉を交わす機会ができたことで、生活に変化が生まれたといいます。

資産形成以外にも目を向けたい「老後の準備」

太郎さんのケースは、老後資金の準備が重要である一方で、それだけでは生活の満足度が決まらないことを示しています。

 

誰とも関わらない生活が長期間続くことで、精神的な不安が大きくなるケースも少なくありません。太郎さんはこう振り返ります。

 

「今となっては、昔の話ができる友人がいればとも思います。思い出になる遊びもしておけばよかった。貯金を頑張りすぎましたね」

 

もちろん、お金はないよりあった方がいいのは明確です。太郎さんも、自身の努力があってこそ、金銭的な不安のない老後を送れています。

 

しかし、老後に向けた備えは資産形成だけでなく、どのように時間を使い、どのような人間関係を築くかという視点も重要といえるでしょう。

 

 

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