(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省『特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)』によると、2025年4月1日時点で、要介護3以上の入所申込者は20.6万人にのぼります。長い待機の末に入所できても、状態の変化や医療的対応の必要性によって、継続が難しくなる場合があります。

やっと入れたのに…特養入所後、突きつけられた“想定外”

「えっ……退去、ですか?」

 

そう聞き返したのは、会社員の高橋さん(仮名・52歳)でした。

 

父の正一さん(仮名・77歳)が特別養護老人ホームに入ったのは、その半年前のことです。年金は月15万円ほど。長く一人暮らしを続けていましたが、転倒をきっかけに足腰が弱り、食事や排せつ、服薬管理にも見守りが必要になっていきました。要介護3の認定を受け、在宅介護には限界が見え始めていました。

 

「デイサービスと訪問介護を使っても、夜のことまでは見られませんでした。私も仕事があるし、毎日実家に通うのはもう無理だと思ったんです」

 

特養はすぐには入れませんでした。申し込みをしてからも順番はなかなか回ってこず、高橋さんは何度も施設やケアマネジャーに連絡を取ったといいます。

 

「やっと空きが出ました、と言われたときは、正直ほっとしました。これで父も私も少し落ち着けると思ったんです」

 

入所当初、正一さんは環境の変化に戸惑いながらも、しだいに施設での生活に慣れていったように見えました。食事が決まった時間に出て、入浴も介助してもらえる。高橋さんも「ここなら安心できる」と感じていたといいます。

 

ところが、入所から数ヵ月が過ぎたころ、父の体調に変化が出始めます。誤嚥性肺炎で入院し、いったん施設に戻ったあとも、夜間の不穏や発熱が続くようになりました。痰の吸引や頻回な状態確認が必要になる場面も増え、施設側から面談の申し出がありました。

 

施設長は、資料を前にしながら静かに言ったといいます。

 

「このままの状態ですと、当施設での生活継続は難しい可能性があります」

 

高橋さんは耳を疑いました。

 

「特養って、最後までいられる場所じゃないんですか?」

 

施設側から説明を受けます。正一さんは短期間で入退院を繰り返し、医療的な管理の必要性が高まっている。この施設の人員体制では、夜間を含めた継続的な対応が難しい。より医療対応の厚い施設や療養先を検討してほしい、というのです。

 

特養は「終の住処」と受け止められやすい一方、厚生労働省『高齢者施設・障害者施設等における医療 参考資料』によると、介護老人福祉施設(特養)の退所者の約7割が死亡を理由として退所しています。他方で、医療機関への退所・退院理由としては「加療のため」が多く、特養では69.7%を占めています。つまり、特養で暮らし続ける人が多い一方で、病状の悪化や治療の必要性によって、医療機関や別の療養先へ移る現実もあるということです。

 

「やっと入れたのに、半年もたたないうちに“次を探してください”なんて……そんなのあまりに急だと思いました」

 

高橋さんはそう振り返ります。ですが、父の様子を見ていると、施設側の説明がまったく理解できないわけでもありませんでした。以前は自力で取れていた食事量も減り、咳き込みが増え、表情にも疲れが見えるようになっていたのです。

 

 \4月14日(火)ライブ配信/
 「名義預金」判定のポイント 

指摘率トップの理由とは
相続税の税務調査の実態と対処方法

次ページ「ここではもう難しい」…突きつけられた次の現実
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧