(※写真はイメージです/PIXTA)

公的年金には、受給開始を遅らせることで年金額が増える「繰下げ受給」という仕組みがあります。1ヵ月あたり0.7%、最大で84%増額されるため、「長生きするほど得」と考えられがちです。しかし実際には、健康状態や就労状況、家族構成によっては、その選択が必ずしも有利に働くとは限りません。制度のメリットだけでなく、前提条件やリスクを踏まえた判断が求められます。

「70歳まで待てば得」のはずが…“空白の5年”の現実

神奈川県内に住む佐藤さん(仮名・71歳)は、会社員として定年まで働いた後も、再雇用で仕事を続けてきました。本来であれば65歳から年金を受け取ることができましたが、佐藤さんはあえて受給を見送りました。

 

「どうせ働いているし、もらわなくても生活できるなら、増やしてから受け取った方がいいと思ったんです」

 

当時、金融機関のセミナーやネット記事でも「繰下げはお得」と紹介されることが多く、佐藤さんもその情報を信じて70歳まで繰下げる決断をします。その結果、佐藤さんの年金額は月約22万円にまで増えました。

 

「65歳から受け取っていたら、14万円くらいだったと思います。かなり増えた実感はありました」

 

しかし、佐藤さんは振り返ってこう語ります。

 

「結果的には、早くもらっておいた方がよかったかもしれません」

 

理由は、65歳から70歳までの「無受給期間」にありました。

 

再雇用で働いていたとはいえ、収入は現役時代より大きく下がり、年収は300万円ほどに減少。そこから税金や社会保険料が引かれるため、手元に残る金額は限られていました。

 

「思っていたより生活に余裕はありませんでした。貯金を取り崩す場面もありました」

 

さらに、この期間に体調を崩し、通院や医療費の負担も増加します。

 

「働けなくなったらどうしよう、という不安が常にありました」

 

繰下げによって増えた年金額は確かに魅力的ですが、その一方で、受け取らなかった期間の年金は後から取り戻すことができません。

 

仮に、佐藤さんが65歳から年金を受け取っていた場合、

 

・月14万円 × 12ヵ月 × 5年 = 約840万円

 

を受け取っていた計算になります。

 

一方で、繰下げ後の増額分は月8万円程度。

 

この差額を回収するには、

 

・840万円 ÷ 月8万円 ≒ 約105ヵ月(約8〜9年)

 

つまり、79歳前後まで生きて初めて「元が取れる」計算になります。

 

 \4月14日(火)ライブ配信/
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