タンス預金が引き起こす“見えないリスク”
高齢者が多額の現金を自宅に保管している「タンス預金」で多額の現金が見つかることは決して珍しい話ではありません。しかし、この行為には複数のリスクが潜んでいます。
まず、盗難や火災といった物理的なリスクです。金融機関に預けていない現金は、万が一の災害や犯罪によって一瞬で失われる可能性があります。
また、見逃されがちなのが「価値の目減り」です。聖徳太子の一万円札が使われていた時代、大卒初任給は約14万円前後です。しかし、現在では20万円超え程度が一般的な水準で、物価も上昇しています。物価が上がると「いまと同じ金額で将来ものを買えなくなる」というお金の価値が下がる「インフレリスク」があります。
さらに今回のケースでは、この現金は、祖父の相続時に「存在しなかったもの」として扱われていたと考えられるでしょう。もしそうであれば、本来は相続財産として申告されるべきものであり、ほかの相続人との遺産分割協議をやり直す必要があるかもしれませんし、税務上のリスクもあります。
なんの資産がいくらあるのか見える化し、預金、投資信託や債券、生命保険等、それぞれの目的に応じ「お金の置き場所」を考えて適した金融資産を活用することが重要です。
お金は「使うためにあるもの」
日本銀行の資金循環統計によると、日本の家計が保有する金融資産のうち、現金・預金の割合は50%を超えており、他国と比較しても高い水準にあります。特に高齢世帯では、現金を自宅で保管するケースも少なくありません。
自宅においてあるといつでも使うことができ、安心なようにも思えますが、お金の価値を失ってしまったり、本来使うべきタイミングで使えなくなってしまったりしがちです。お金は「使うためにあるもの」ですので、「誰のために、なんのために残すのか」その目的を見失わず、適切に管理・活用していくことが重要でしょう。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
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