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ペルシャ湾に取り残された「日本関連船舶」
2026年3月、日本船主協会の発表により、ペルシャ湾内に日本関連船舶45隻が取り残されていることが明らかになりました。
そのうち日本船籍は5隻にとどまり、多くは外国籍船です。乗員約1,000人のうち、日本人船員はわずか24人という状況も、現在の海運構造を象徴しています。
なぜ日本の船が外国籍になるのか
本来、日本の船会社が保有する船舶は日本籍とするのが自然です。しかし現実には、パナマやマーシャル諸島などへの登録が主流となっています。その最大の理由は、外航船にかかるコストの差にあります。
また日本では、法人税・登録免許税・固定資産税といった税負担が船舶登録の障壁となってきました。
法人税については、2008年に導入されたトン数標準税制により国際競争力は一定程度改善されています。しかし、登録免許税や固定資産税の負担は依然として重く、日本船籍の増加にはつながっていません。
トン数標準税制の限界と制度の複雑さ
トン数標準税制は、船舶のトン数に応じた「みなし利益」に課税する仕組みで、利益変動に左右されない安定した税制です。
ただし適用には「日本船舶・船員確保計画」の認定が必要であり、制度利用のハードルも存在します。対象拡大は進んだものの、抜本的な解決には至っていません。
日本人船員が増えないもう1つの理由
コスト構造のもう1つの大きな要因が、日本人船員の人件費です。今回のケースでも、日本人船員は全体のわずか数パーセントにとどまっています。国際競争の中で、日本人船員の確保は年々難しくなっています。
これまで段階的な制度改正は行われてきましたが、省庁間の調整や国内制度の制約により、抜本的な改革は進んでいません。その結果、日本の船でありながら外国籍に依存する構造が固定化しています。
今こそ問われる日本の海運政策のあり方
ホルムズ海峡封鎖という非常事態は、日本の海運政策の脆弱性を浮き彫りにしました。安全保障や経済の観点からも、日本船籍・日本人船員の確保は重要な課題です。今回の危機を契機に、船舶行政の在り方を改めて問い直す必要があるでしょう。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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