頼れる夫との突然の別れ…71歳主婦が気づいたこと
「お金のことは俺が見ているから、お前は心配しなくていい」
夫はいつも、そういって笑っていました。
恵子さん(仮名・71歳)は、専門学校を卒業後に地元の会社で事務職として働いていましたが、25歳のときに結婚して退職。その後は40年以上、専業主婦として家庭を支えてきました。
夫は5歳年上で、家計の管理はすべて夫が担当していました。恵子さんが受け取るのは毎月の生活費だけ。食費や日用品をやりくりする程度で、夫の収入や貯蓄の額について詳しく聞いたことはほとんどありませんでした。
「私より夫のほうが几帳面でしたし、きちんとやってくれていると思っていました」
結婚生活は穏やかなものでした。夫は定年退職後も「家にいると体がなまる」といって、週に数日、スーパーの駐車場整理の仕事をしていました。そんな生活が終わったのは、突然のことでした。
ある日の朝、夫はいつものように「昼には戻るよ」と言って出かけました。しかしその日の夕方、警察から連絡が入ります。自宅近くの公園で倒れているところを通行人が見つけ、病院に搬送されたものの、そのまま亡くなったという知らせでした。死因は心臓の疾患でした。
あまりの出来事に、恵子さんはただ呆然とするしかありませんでした。葬儀は親族中心の小さな形にしましたが、それでも費用は100万円近くかかりました。その支払いをどうするか考えたとき、恵子さんはある現実に気づきます。
「私、お金のことを何も知らない……」
