(※写真はイメージです/PIXTA)

78歳の高橋さん(仮名)は、年金月17万円、資産約7,000万円と老後資金に不安のない生活を送っていました。しかし、妻の死後、節約への意識が強まり、生活のあらゆる場面で「お金を使わないように」が判断基準に。その考えを長男には理解してもらえず――。なぜ高齢になるほどお金の話が増えるのか? 親子のすれ違いの事例を通して、本当に大切なものとは何かを探っていきます。

なぜ高齢になるほど「お金の話」が増えるのか

こうした親子のすれ違いは、意外と少なくありません。

 

高齢になると、長年築いてきた価値観がより固定化しやすくなるといわれています。とくに、子どもの頃に経済的に厳しい家庭環境で育った人の場合、節約や貯蓄を重んじる価値観が強く、老後になっても「お金を減らしてはいけない」という意識が根強く残ることがあります。

 

場合によっては軽度認知障害(MCI)など、認知機能の変化が影響しているケースもあります。しかし、そうでない場合でも、「節約は美徳であり、貯蓄は安心の証」――そうした価値観が、長い年月をかけて体に染み込んでいることも多いのです。

 

老後になってもその感覚は簡単には変わりません。むしろ収入が年金中心になることで、「減らしてはいけない」という意識がさらに強くなることもあります。

 

一方で、子ども世代の価値観は必ずしも同じではありません。

 

「お金は使ってこそ意味がある」
「楽しんで暮らしてほしい」

 

親の極端な節約やお金への執着を見て、「なぜそこまで」と感じてしまう。この価値観の違いが、親子の会話をかみ合わなくさせてしまうのです。

お金は使うことで意味を持つ

老後資金はもちろん大切です。長生きする時代において、備えは欠かせません。しかしお金は守るものであると同時に、「使うことで意味を持つもの」でもあります。

 

家族との食事、孫との時間、旅行や趣味。快適に暮らすためのリフォームや買い物。そうした体験は、通帳の残高には残りませんが、人生を確実に豊かにします。お金とどう付き合うのかを考えることは、老後の大きなテーマの一つだといえるでしょう。

 

 

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