「同居=安心」ではなかった現実
数年が経ち、夫婦の中で少しずつ考え方が変わっていきました。
「近くに家族がいる安心感はあります。でも、それだけではやっていけないんだと実感しました」
生活費の負担、価値観の違い、将来の介護への不安。二世帯住宅にしたことで、かえって課題が見えてきたといいます。特に悩ましかったのは、「お金の話をしづらい」という点でした。
「家族だからこそ、はっきり言えないんです」
その結果、負担の偏りが続いてしまいました。
「お金のことは、最初にきちんと決めておくべきだったと思います」
住宅の建築費だけでなく、生活費や修繕費、税金の負担割合など、具体的に取り決めておくことが重要です。また、将来的に同居を解消する可能性も含めて、柔軟な設計を考える必要があります。
「“家族だから大丈夫”という考えは、少し甘かったかもしれません」
二世帯住宅は、うまくいけば大きなメリットをもたらします。しかし、準備や取り決めが不十分なまま進めると、思わぬ負担やトラブルにつながる可能性もあります。
老後の住まいを考えるうえで重要なのは、「安心」という言葉の裏にある現実を、どこまで具体的に想定できるか――その点にあるのかもしれません。
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