(※写真はイメージです/PIXTA)

子ども世帯との同居は、老後の安心につながる選択肢の一つとされています。住宅費の負担軽減や将来の介護を見据えて、二世帯住宅を選ぶ家庭も少なくありません。一方で、総務省『令和5年 住宅・土地統計調査』などでも示されているように、世帯構成の多様化が進むなかで、同居に伴うトラブルや価値観の違いが顕在化するケースも増えています。老後の「安心」のつもりで選んだ同居が、思わぬ負担につながることもあるのです。

「同居=安心」ではなかった現実

数年が経ち、夫婦の中で少しずつ考え方が変わっていきました。

 

「近くに家族がいる安心感はあります。でも、それだけではやっていけないんだと実感しました」

 

生活費の負担、価値観の違い、将来の介護への不安。二世帯住宅にしたことで、かえって課題が見えてきたといいます。特に悩ましかったのは、「お金の話をしづらい」という点でした。

 

「家族だからこそ、はっきり言えないんです」

 

その結果、負担の偏りが続いてしまいました。

 

「お金のことは、最初にきちんと決めておくべきだったと思います」

 

住宅の建築費だけでなく、生活費や修繕費、税金の負担割合など、具体的に取り決めておくことが重要です。また、将来的に同居を解消する可能性も含めて、柔軟な設計を考える必要があります。

 

「“家族だから大丈夫”という考えは、少し甘かったかもしれません」

 

二世帯住宅は、うまくいけば大きなメリットをもたらします。しかし、準備や取り決めが不十分なまま進めると、思わぬ負担やトラブルにつながる可能性もあります。

 

老後の住まいを考えるうえで重要なのは、「安心」という言葉の裏にある現実を、どこまで具体的に想定できるか――その点にあるのかもしれません。

 

 

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