相続税対策としても有効なマンション経営
マンション経営を始めるメリットとして、権利的な収入とともに節税効果も知られています。では、実際に節税効果を期待できる税金は次の3つのうちどの税金でしょうか?
1.相続税 2.所得税 3.住民税
A.全部です。
<解説>
マンション経営による相続税対策は今がまさに旬です。2015年1月から相続税に対する基礎控除額が下図のように引き下げられました。これによって課税対象者が大幅に増える見込みです。
例:遺産総額が8,000万円で、相続人が妻と子ども2人の合計3人だった場合
【改正前の基礎控除額】5,000万円+1,000万円×3人 =8,000万円
遺産総額8,000万円-基礎控除額8,000万円=0円
⇒相続税は発生しない。
【改正後の基礎控除額】3,000万円+600万円×3人 =4,800万円
遺産総額8,000万円-基礎控除額4,800万円=3,200万円
⇒3,200万円に対して相続税がかかる。
この相続税の基礎控除額引き下げの対策として非常に有効なのがマンション経営なのです。
たとえば基礎控除後の現金を5,000万円持っていたとします。相続税額は5,000万円×20%(税率)-200万円(控除額)=800万円です。
しかし、この5,000万円で賃貸用マンションを購入していれば、相続する資産は約1,500万円と見なされます。なぜならマンションを相続する場合の資産価値は、固定資産税評価額となり、現金に対して約20%から30%になるからです。
その場合の相続税額は、(1,500万円-50万円(控除額))×15%(税率)=217.5万円
現金に比べ約580万円も節税できます。
損益通算で所得税・住民税を節税
所得税もマンション経営によって節税が可能です。サラリーマンなどほとんどの給与所得者は、がんばって稼いでも自動的に一定割合の所得税を納税することになります。
給与所得控除などを差し引いた課税所得が500万円なら20%、1,000万円なら33%です。しかし、給与所得者がマンション経営をした場合は、その年の課税所得からさらに申告上の赤字を差し引く損益通算ができるのです。
収入である家賃や礼金に対し、マンションの減価償却費やローンの利息、管理コスト、その他雑費などの経費を差し引きます。単純な年間のキャッシュフローとは違います。もし、マンション経営が確定申告上マイナス収支になってしまったとしても、確定申告を行うことでサラリーマンの収入と損益通算できるので、所得税の節税効果が生まれます。
たとえば課税所得が600万円の場合の所得税額は、600万円×約20%(税率)=120万円(※控除は考慮せず)です。しかし、仮にマンション経営の収支が申告上でマイナス60万円ならば、(600万円-60万円)×約20%(税率)=108万円(※控除は考慮せず)つまり60万円×約20%(税率)=12万円 の節税効果があるのです。
同様に住民税は一律10%なので 60万×10%=6万円 合わせて約18万円分の節税効果となります。損益通算の節税効果は、年収の多いサラリーマンほど大きくなります。