チラシに書かれた、相場より「少し高め」の数字
「○○町○丁目の土地を、○○○○万円でご購入希望のお客様がいます」
「当マンションを○○○○万円で購入希望」
こんなチラシがポストに入っていた経験はありませんか。
これはまず間違いなく「おとりチラシ」です。実際に買いたい客がいるわけではありません。売却を考えたとき、そのチラシの電話番号に連絡してもらうための布石です。
なかには「○千万円で」と、具体的な数字まで書いてあるチラシもあります。相場より少し高めの数字に踊らされて、つい電話してしまう人もいるようです。
現実には「買いたい人」を持っているわけではない!?
私の経験をお話ししましょう。東京都内の足立区にマンションを持っていて、自社で販売しようと準備していました。そのマンションのポストに何枚も何枚も、「あなたのマンションを購入したい人がいます」というチラシが入ってくるのです。
早速その不動産会社に連絡すると、
「はい、あなたのマンションを買いたい人がいますから、任せてください!」
という返事。個人所有の物件でしたので、試しに呼んで話を聞いてみました。すると、
「専任媒介契約を結んでからでないと、購入希望者をご案内できません」
の一点張り。まあ、現実には「買いたい人」を持っているわけではなかったのでしょう。
その後、実際に他の階で当該不動産業者がオープンハウス(内覧会)を始めました。迷わず営業マンに価格を聞くと、階数は違いますがまったく同じ間取りで700万円も安く販売されていました。
「あれー、○○○○万円で買いたい人がいたのでは?」
おとり広告は立派な法律違反です。おとりチラシは販売にも利用されます。
「○○町、駅8分築13年4LDK120㎡○○○○万円」
「えー、安くない!」――こんな手口にも引っかからないでください。この手のチラシは単なるおとり広告ですから気をつけましょう。ちなみに、このときの業者は、誰もが知っている有名な銀行の名前の付いた不動産会社です。