今回は、不動産会社の「おとりチラシ」のカラクリを見ていきます。 ※本連載では、「不動産高く売りたい.com」代表・露木 裕良氏の著書『不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと』(現代書林)より一部を抜粋し、売りたい人が抱える「事情」につけ入る不動産業者の実態を紹介します。

チラシに書かれた、相場より「少し高め」の数字

「○○町○丁目の土地を、○○○○万円でご購入希望のお客様がいます」

 

「当マンションを○○○○万円で購入希望」

 

こんなチラシがポストに入っていた経験はありませんか。

 

これはまず間違いなく「おとりチラシ」です。実際に買いたい客がいるわけではありません。売却を考えたとき、そのチラシの電話番号に連絡してもらうための布石です。

 

なかには「○千万円で」と、具体的な数字まで書いてあるチラシもあります。相場より少し高めの数字に踊らされて、つい電話してしまう人もいるようです。

現実には「買いたい人」を持っているわけではない!?

私の経験をお話ししましょう。東京都内の足立区にマンションを持っていて、自社で販売しようと準備していました。そのマンションのポストに何枚も何枚も、「あなたのマンションを購入したい人がいます」というチラシが入ってくるのです。

 

早速その不動産会社に連絡すると、

 

「はい、あなたのマンションを買いたい人がいますから、任せてください!」

 

という返事。個人所有の物件でしたので、試しに呼んで話を聞いてみました。すると、

 

「専任媒介契約を結んでからでないと、購入希望者をご案内できません」

 

の一点張り。まあ、現実には「買いたい人」を持っているわけではなかったのでしょう。

 

その後、実際に他の階で当該不動産業者がオープンハウス(内覧会)を始めました。迷わず営業マンに価格を聞くと、階数は違いますがまったく同じ間取りで700万円も安く販売されていました。

 

「あれー、○○○○万円で買いたい人がいたのでは?」

 

おとり広告は立派な法律違反です。おとりチラシは販売にも利用されます。

 

「○○町、駅8分築13年4LDK120㎡○○○○万円」

 

「えー、安くない!」――こんな手口にも引っかからないでください。この手のチラシは単なるおとり広告ですから気をつけましょう。ちなみに、このときの業者は、誰もが知っている有名な銀行の名前の付いた不動産会社です。

本連載は、2016年12月19日刊行の書籍『不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと

不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと

露木 裕良

現代書林

業者が画策する「囲い込み」という悪しき手法。 大儲けのためなら、どんな手でも平気で使う営業マン。 「ワン、ツー、スリーで大儲け」の仕組みとは? 「おとりチラシ」に騙されてはいけない。 「一括査定」という言葉に潜…

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