念願の戸建てを購入し、幸せいっぱいの30代夫婦。しかし、積み上がるほどのゴミ袋とともに暮らす。そんな「まさかの新居生活」になりつつありました。いったいなぜ? 事情を見ていきましょう。

キッチンの片隅に積み上がる、ゴミ袋の山

健太さんは人と顔を合わせないよう、深夜に出すことに。ゴミ出しは「当日朝5時~8時まで」と決まっていましたが、以前のマンションでは、多少早く出しても許されていたからです。すると、翌朝早く、インターホンが鳴り、こう注意されました。

 

「カラスに荒らされるので、決まった時間に出してください」

 

集積所には『前日夜の排出は禁止です。ルールを守りましょう』という張り紙が貼られました。名指しでなくても、自分たちのことだと分かります。ルールも守れない家だと思われたのではないか……。健太さんの心は一層重くなりました。

 

健太さんが妻にゴミ出しを頼むと「私も嫌よ」と拒否。ゴミ出しをしないことが2回続くと、3人家族の生活ゴミは、あっという間に部屋の片隅に積み上がるほどに。

 

健太さんは、念願の新居にゴミ袋いっぱいという光景を見て決断しました。「よし、町内会に入ろう」と。

「加入しない」が半数以上も、ご近所トラブルの火種に注意

加入の申し出は、あっさりと受け入れられました。改めて、ゴミ出しのルールや清掃当番の仕組みの説明を受けます。話を聞くと、町内会はゴミ集積所の管理だけでなく、防犯灯の維持、防災訓練、行政との連絡役など、さまざまな役割を担っていることを知りました。

 

「最初から、ちゃんと聞いておけばよかった。一生ここに住む予定なんですから」

 

健太さんはそう振り返ります。

 

町内会費は、地域で暮らす仕組みを維持するための分担金でもあります。しかし、健太さんのように戸建てで暮らした経験がない人は、その目的をそもそも知らない可能性も少なくありません。

 

令和6年の東京都生活文化スポーツ局「町内・自治会活動に関する調査(概要)」では、町会・自治会に参加しているとの回答は41.4%、加入していないとの回答は48.0%。若い世代ほど加入率は低くなっています。

 

加入しない自由もあります。ただ、健太さん夫婦のケースのように、ご近所トラブルに近い状態に発展することも。戸建てを買うということは、建物だけでなく、その地域の仕組みの中で暮らすことでもある。それを理解しておくことが大切です。

 

 

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