私の人生、なんだったのか…バブルを駆け抜け、資産1億円の“本物の富裕層”になった68歳・往年の生保レディー。年金事務所で脱力した老後に受け取る「唖然の年金額」【FPが解説】

私の人生、なんだったのか…バブルを駆け抜け、資産1億円の“本物の富裕層”になった68歳・往年の生保レディー。年金事務所で脱力した老後に受け取る「唖然の年金額」【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

バブルの熱狂のなか、顧客に「安心」という名のお守りを手渡してきた生保レディーたち。しかし、トップセールスとして華々しく活躍した彼女たちが、自身の受給額を前にして思いがけない現実に直面することがあります。本記事ではFPオフィスツクル代表の内田英子氏が、Aさんの事例とともに、キャリアの転換点に潜む年金の落とし穴について解説します。※本記事で取り上げている事例は、複数の相談をもとにしたものですが、登場人物や設定などはプライバシーの観点から一部脚色を加えて記事化しています。読者の皆さまに役立つ知識や視点をお届けすることを目的としています。個別事例の具体的な取り扱いは、税理士・弁護士・司法書士など専門家にご相談ください。

想定よりも年金額が少ない人

「思ったよりも年金額が少なくて驚いた」このような感想を述べるのは、Aさんのように、独立開業された人だけではありません。そのほかにも、たとえば以下のようなケースがあげられます。

 

・高収入で、年金に反映できる標準報酬月額を大きく超えている

・年収に対し、賞与やインセンティブの占める割合が大きい

・パート/社員だと思っていたら業務委託で働いていた

・海外赴任中に任意加入していなかった

・減額のインパクトを確認せず、繰上受給した

 

年金制度は複雑なため、年金制度の仕組みを理解していないと、老後になって「こんなはずじゃなかった」という事態になる可能性があります。

想定より少ないとわかったら…4つの対応策

年金は多くの人にとって老後生活の主な収入源となるため、年金額によって老後生活の見通しが変わることも。ここでは、年金が少ないとわかったときに知っておきたい4つの対応策をご紹介します。

 

ステップ1:まずは現状把握…年金の受け取りスケジュールと生活費を見える化

これから受け取ることができる年金の種類やスケジュールを確認しましょう。年金と一口にいっても、老齢基礎年金や老齢厚生年金、遺族厚生年金、企業年金からの老齢給付など、さまざまな種類があります。それぞれいつからいつまで、また、いくらくらい受け取れるものか。まずはねんきん定期便や年金事務所での相談を活用し、自身が今後受け取れそうな年金を丁寧に確認していきましょう。

 

受け取りスケジュールがわかったら、次は、毎年必要になる生活費の洗い出し。住居費、食費、光熱費、医療費、交際費など、さまざまな支出がありますが、年ベースで金額を書き出すことで、「年金だけではいくら不足するのか」が明確になります。

 

ステップ2:必要な取り崩し額を計算

毎年の生活費から年金額を差し引けば、毎年の不足額がわかります。たとえば生活費が年間300万円、年金が144万円なら、不足額は156万円です。想定される老後期間をかけ算して、老後に必要な総額を試算しましょう。たとえば、65歳から95歳までなら、老後期間は30年間です。毎年156万円不足するなら、必要な取り崩し額は4,680万円となります。

 

ステップ3:ライフプランと照らしあわせ、取り崩しに充てられる金額を確認

保有資産から、今後予定される大きな支出(リフォーム費用、子どもへの援助、介護費用、葬儀費用など)を差し引きます。残った金額が、取り崩せる資産です。この金額がステップ2で算出した必要額を上回っていれば、ひとまず安心でしょう。

 

ステップ4:取り崩せる金額が足りなかったら…キャリアプランや支出を見直す

取り崩せる金額が不足するなら、対策が必要です。まだ働くことが選択肢として入れられる状態なら、厚生年金に加入できる働き方への転換や、年金受給開始年齢の繰下げも検討してみてください。固定費の削減や住み替え、ライフイベントの見直しなど、支出面の見直しも有効です。

年金+自助努力で老後の安心を築く

Aさんのケースが示すように、年金額は必ずしも「生涯にわたって稼いだ総額」に比例するわけではありません。むしろ、「どの制度に、どれだけの期間加入し保険料を納めていたか」によって決まります。独立開業や業務委託への転換は、キャリアの選択肢として魅力的である一方、年金という観点では大きな分岐点になるのです。

 

Aさんは幸い、個人年金保険や養老保険などを若いころから続けており、金融資産1億円という形で老後の安心を確保していました。しかし、もし私的な準備がなければ、老後資金には深刻な不足が生じていた可能性も。早い段階で自分の年金見込み額を把握し、必要に応じて働き方や資産形成の計画を見直すことは重要です。

 

年金は老後生活の土台ですが、それだけに頼る時代ではなくなりつつあります。公的年金に加えて、iDeCoや企業型確定拠出年金、NISAなど、自助努力による資産形成の選択肢も広がっています。まずは自分のキャリアやライフプランを振り返り、必要な備えを確認することから始めてみませんか。

 

 

内田 英子

FPオフィスツクル代表

ファイナンシャルプランナー

 

 

 

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