これまでインデックス運用が万能とされてきたのは、約40年間続いた株価上昇トレンドのおかげに過ぎません。「超カネ余りバブル」が破裂すれば、業績低迷企業の株価下落に足を引っ張られ、市場全体を買うインデックス運用は成績低迷に直結すると著者は警告します。本記事では、澤上篤人氏による書籍『大逆回転前夜 資産防衛の最終警告』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集し、超カネ余りバブル崩壊によってインデックス投資が迎える厳しい現実を解説します。(カネ余りバブル:半世紀続く過剰な資金供給やゼロ金利政策などで行き場を失った巨額マネーが金融市場に流れ込み、実体経済と乖離して価格が高騰した状態)

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「アクティブは勝てない」という学者定説への反論

投資運用を語るにおいて、いまや定説のようになっているのが、アクティブ運用はパッシブ運用に勝てないという考え方である。学者先生方も、皆そう主張している。

 

アクティブ運用では、将来性のある企業を選別して投資するから、市場全体の株式を玉石混交で買うパッシブ運用よりも成績は高くなるはずである。成長性の高い企業を主体に選別しているから当然のことである。

 

ところが、よく言われるのは成長性の高い企業を選別するといっても、そう上手く企業選別はできない。企業リサーチをしたり、運用するコストを勘案すると、株式全般を単純に購入するパッシブ運用の方が成績は上になるといわれる。

 

また、学者先生たちは過去の運用成績のデータを分析して、アクティブ運用はパッシブ運用に勝てないと結論づける。データ分析した上での結論だから、たしかに説得力はある。

 

どちらも、長期の投資運用の現場というものを知らない人たちによる、パッシブ運用有利論である。

 

アクティブ運用のファンドでは、それこそピンキリの世界である。優秀な運用能力を誇るピンのファンドもあれば、ド下手な運用ファンドもある。一概にアクティブ運用ファンドの成績といっても、数多くのアクティブ運用ファンドの平均値に過ぎない。ド下手な運用のファンドが消滅していく寸前までは、それらをも含んだ平均成績が、アクティブ運用の成績ということになる。

 

一方、パッシブ運用は平均株価などインデックスそのものであって、運用の上手い下手はない。ド下手なファンドたちに足を引っ張られることになりかねない、アクティブ運用ファンド全体の成績だ。

 

そのためパッシブ運用ファンドの下にくるなんて、いくらでもあり得る話。まして、学者先生方のいうデータも、この43年間の世界の株価右肩上がりをベースにしてのこと。超カネ余りバブルが弾けると、そのデータとやらもズタズタになるだけのこと。われわれ筋金入りのアクティブ運用者からすると、平均株価などに負けるなんてあり得ないこと。

 

手前ミソながら、さわかみファンドの成績はこの26年間、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)をずっと上回っている(図表1)。

 

[図表1]これが本物の長期投資運用だ

 

この26年間の成績差だ。ということは、日本経済が国を挙げてデフレ克服に躍起となったものの、日本経済は長期低迷を続けた。その中でも、これだけの差がついているのだ。

 

将来、日本経済に活気が戻ってくれば、個々の企業を選別買いするアクティブ運用の方が、インデックスよりもずっと上にくるだろう。まして、バブル崩壊でインデックス運用が冬の時代に入っていくのだ。大きな成績差となろう。

 

 

澤上 篤人

さわかみホールディングス代表取締役

 

 

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※本連載は、澤上篤人氏による書籍『大逆回転前夜 資産防衛の最終警告』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

大逆回転前夜 資産防衛の最終警告

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