親離れ・子離れができない人が1割…支えることだけが愛情ではない
Cさんの家庭には、出戻り息子を無条件で歓迎する母と、この先に不安を抱える父という、深いすれ違いがあります。ですが、これは特別な家庭の話ではありません。
ネットエイジア株式会社の「『おとなの親子』の生活調査2025」(70歳以上の親がいる40~69歳男女2,000名対象)によると、「親離れができていないと感じたことがある」と答えた人は9.9%、「親が子離れできていないと感じたことがある」と答えた人は9.7%でした。
多くの家庭では親離れ・子離れができている一方、約1割はその境界があいまいなままであることがうかがえます。
事情があって子どもが実家に戻ること自体は、決して悪いことではありません。問題は、期限も役割分担も決めないまま、ズルズルと同居が続いてしまうことです。
・いつまで同居するのか
・生活費はどこまで親が負担するのか
・働く意思と具体的な計画はあるのか
これらを話し合わず、「かわいそうだから」「今は仕方ない」で流してしまえば、老後の家計は確実に蝕まれていきます。親の年金や貯蓄は無限ではなく、やがては8050問題――高齢の親が中高年の子を支え続け、共倒れに陥る社会問題へとつながりかねません。
支え続けることだけが愛情とは限りません。自立を促す距離感も、親にできる大切な選択のひとつです。「子どもは何歳になっても子どもだから、守らなきゃ」……そんな親の愛情が、自らの老後を削っていないか、いま一度、立ち止まって考える必要があるでしょう。
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