「孫がいない寂しさは、お母さんの問題」
そして、最後に娘から言われたのが、冒頭の言葉でした。
「もう私に執着するのはやめて。孫がいなくて寂しいのはお母さんの問題。自分で自分の人生を充実させて」
祐未さんは振り返ります。
「なんだか、一気に子育ての答え合わせが突きつけられた気持ちです。これからは自分の老後のことを考えていきたいです」
親世代の“当たり前”が、もう前提ではない
内閣府「男女共同参画白書 令和7年版」によると、2024年時点で日本の共働き世帯数は、専業主婦世帯数の3倍以上に達しています。さらに、株式会社マイナビの調査では、子どもがいない20、30代正社員のうち、20代の32.7%が「子どもは欲しくない」、30代では4割以上が「欲しくない」と回答。男女別でみると、特に20代女性は子どもが欲しい計が70.0%でもっとも高かった一方、30代では男女ともに子どもが欲しくない割合が4割を超える結果になりました。その理由には「結婚=幸せだとは思っていない」「自由な時間がなくなる」など、個人の幸福を基準にした価値観が挙がっています。
かつては、結婚して子どもを持ち、孫ができる——という人生設計が“当たり前”とされてきました。しかし今は、仕事、生活、将来不安、そして家庭観の変化の中で、「持たない」という選択肢も現実的なものになっています。
祐未さんは言います。
「娘の人生は、娘のものなんですよね。頭では分かっていてもなかなかまだ追いついていないのですが……」
孫を望む気持ちが消えたわけではありません。それでも、娘の選択を自分の期待で縛るのではなく、自分の人生に目を向け直そうとしていました。
[参考資料]
内閣府「男女共同参画白書 令和7年版」
株式会社マイナビ「結婚観・子どもに対する意識調査」
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