在宅勤務OK、社食完備、高い有休取得率…経営が軌道に乗った「ホワイト企業」に待ち受けている“衰退化”のワナ

在宅勤務OK、社食完備、高い有休取得率…経営が軌道に乗った「ホワイト企業」に待ち受けている“衰退化”のワナ
(※写真はイメージです/PIXTA)

個人の力で会社を立ち上げ(起業家の時代)、仲間をつくり(幹部の時代)、仕組みをつくり(標準化の時代)、会社を軌道に乗せる(省人化の時代)――。企業が成長するにあたっては、このようにいくつかのステップが存在します。「誰でもできる仕組み」づくりに成功し、継続的に改善を行う企業は会社を軌道に乗せることに成功しますが、ここに“衰退化”のワナが隠れているのです……。久野康成氏の著書『現金10億経営 会社をキャッシュリッチに変える経営戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、省人化に成功した企業が直面する“壁”をみていきます。

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経営が軌道に乗った企業が陥りがちな“サクセストラップ”

ボトムアップ経営の仕組みが完成し、継続的に改善を行い続ける文化が形成されると省人化の時代を迎えます。圧倒的な生産性の高さは、競合他社の追随を許さず、業界の中で高い地位を築きます。

 

まさに、起承転結の「結」であり、これが実現できると企業は大きく成長し、嫌でも大企業になります。

 

かつての社員の力に頼ったブラック企業体質を抜け出し、ホワイト企業としての制度が整えられます。福利厚生の充実、有休取得率も高く、在宅勤務も推奨されます。場合によっては、無料ピザ、無料コーラ、素晴らしい社食も完備されることがあります。

 

ホワイト企業の方針は、社員にとって素晴らしい職場環境づくりです。

 

そして、素晴らしい会社に入社した社員は、勘違いを始めます。エリート思考、選民思想、グローバル化による新たな植民地思考を生み出す要因となります。経営者や社員が自分たちを実際以上に大きく見せようとし、己の正しさを疑わなくなると、外注先に対する横柄な態度も時としてとるようになります。

 

また、既存の事業を守る思考から、失敗が許されない、新しい挑戦をしない文化へとつながります。これが大企業のサクセストラップです。これにより企業家精神が失われ、構造的な衰退期に入っていくのです。

 

素晴らしい伝統を持った企業は、歴史を語る傾向があります。「過去」を語りだしたら「終わりの始まり」です。良い会社とは、常に「未来」を語り続けなければいけません。

 

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成功した組織の真似は失敗の始まり

企業の成功の要件は、競合より戦略的優位性があること。そして、プロセス・イノベーションで組織を標準化させることです。

 

ただ、成功した経営者が書く本は、自社の戦略の優位性ではなく、いかなる組織を作ったかが主たるテーマになることが多いのです。戦略の優位性は、成功した企業の固有のものであり、他社が真似できるものではありません。本に書かれる内容は、汎用性のあるものになります。

 

汎用性のある内容とは、戦略より組織作りに関わるものになります。多くの成功した経営者は、組織固有の社員主義的方針を打ち出します。

 

しかし、ここには大きな問題があります。真の成功要因は、固有の戦略であり、組織ではないのです。

 

社員主義的な固有の組織が作れたのは、優位な戦略によって超過利益が発生した結果に過ぎません。これがあたかも成功の原因のごとく本に書かれることがあります。本を書いている経営者もまた、真の成功要因が見抜けていないのかもしれません。

 

これを真に受けた中小企業の経営者が真似れば、必ず失敗します。

 

賢者の教え

標準化を推し進めるのはトップダウンの意思決定が必要。

標準化後に運用し改善を続けるにはボトムアップが必要。

ボトムアップ経営には真のリーダーシップが問われる。

成功した企業の成功要因は固有の戦略にあり、組織ではない。

 

 

久野 康成

久野康成公認会計士事務所 所長
株式会社東京コンサルティングファーム 代表取締役会長
東京税理士法人 統括代表社員
公認会計士・税理士・社団法人日本証券アナリスト協会検定会員

 

 

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※本連載は、久野康成氏の著書『現金10億経営 会社をキャッシュリッチに変える経営戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋再編集しています。

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