(※写真はイメージです/PIXTA)

「兄には勝てない。相続でも、それは同じでした」そう語るのは、50代の女性・仁美さん(仮名)。昨年、母を亡くし、十分な説明がないまま、相続税申告の期限に追われて遺産分割協議書に実印を押すことになりました。納得できない思いを抱えたまま、今年は父の相続を迎えています。なぜ「話し合い」のはずの相続が、不公平感の残る結果になってしまうのか。相続実務士・曽根惠子氏(株式会社夢相続 代表取締役)が、実際の事例をもとに解説します。

仁美さんが本当に求めていたもの

仁美さんが重視していたのは、単に「お金」ではありませんでした。

 

・納得できる説明があること
・公平だと感じられる分け方であること
・後悔の残らない形であること

 

「弁護士を立てて、争う形にはしたくない」
「でも、このまま押し切られるのも違う」

 

兄と直接、感情的な交渉をすることは難しい。だからこそ、第三者として、事実と数字を整理し、現実的な選択肢を示してほしい……。それが、仁美さんの希望でした。

相続に困ったとき、最初にやるべきこと

仁美さんのケースで、私たちが引き受けたのは、次の点です。

 

・母・父、両方の相続内容の検証
・申告内容・評価・分割の妥当性チェック
・5年以内であれば、過去の更正が可能かの検討
・節税と公平性を両立させた分割案の複数提示

 

「争いを避けたい」という前提は、私たちも同じです。だからこそ、感情論ではなく、理論と数字で、兄が理解せざるを得ないプランを組み立てていきます。

 

正直に言えば、この案件は簡単ではありません。兄妹の感情的な対立は根深く、過去の経緯も複雑です。

 

それでも、「どちらかが勝つ相続」ではなく、「双方にとって現実的な選択肢」を示すことで、気持ちが少し軽くなるケースは少なくありません。

 

相続に困ったとき、いきなり弁護士に行かなくてもいい。税理士にすべてを丸投げする必要もありません。

 

まずは、

・何が問題なのか
・どこで不公平が生じているのか本当に選択肢は一つしかないのか

 

それを整理すること。

 

「専門家に頼む前に知っておく」だけで、相続の景色は大きく変わります。

 

仁美さんの相続は、まだ途中です。でも、「このままでは終わりたくない」

 

その思いを、形にする第一歩は踏み出しました。

 

曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®

株式会社夢相続 代表取締役

 

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

 

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