初競りマグロ、史上最高値5億1,030万円…2026年「日経平均株価2ケタ上昇」のサインか? すしざんまい社長「あれよあれよと上がってびっくり」【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】

景気の予告信号灯としての身近なデータ(2026年1月5日)

初競りマグロ、史上最高値5億1,030万円…2026年「日経平均株価2ケタ上昇」のサインか? すしざんまい社長「あれよあれよと上がってびっくり」【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「初競りマグロが高値だと、その年は株が上がる」まことしやかに囁かれるこの景気のアノマリーは、2026年も健在なのでしょうか。1月5日、豊洲市場で行われた初競りで、大間産クロマグロが史上最高値で落札されました。過去のデータによれば、これは日経平均の「2ケタ上昇」を示唆する強力なサインです。しかし一方で、2026年の干支である午年には、戦後平均リターンが唯一マイナスという、不吉なジンクスが存在します。史上最高のマグロ景気か、それとも格言通りの尻下がりか。相反する二つのデータから、2026年の日本経済を、エコノミストの宅森昭吉氏が読み解きます。

史上最高値5億1,030万円!2026年豊洲の「一番マグロ」

2026年マグロの初競りで、大間産クロマグロの最高値は史上最高の5億1,030万円。243キロで、1キロ単価は210万円で「一番マグロ」。

 

豊洲市場での新年恒例のマグロ初競りが毎年注目されています。

 

2026年1月5日早朝に豊洲市場で行われたマグロの初競りの最高値は、青森県大間産の本マグロの5億1,030万円。2019年の初競りで落札された3億3,360万円を1.5倍以上上回る史上最高値を更新しました。

 

最高値の「一番マグロ」は総重量243キロで、1キロ当たり210万円でした。2019年の1キロ当たり120万円の1.75倍で、すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村が6年ぶりに競り落としました。

 

新聞報道によると、2026年の一番マグロを競り落とした喜代村の木村清社長は、報道陣の取材に「もうちょっと手前で買えるかと思ったが、あれよあれよと上がってびっくりしている。世界をリードするために、日本国民に頑張っていただきたいという思いで買った。縁起のいいマグロを食べて一人でも多くの人に元気になってほしい」と話したとのこと。落札された一番マグロの「解体ショー」が、中央区築地のすしざんまい本店で1月5日13時30分ごろから行われる予定で、その後、本店の客と本店以外の客にも提供されるそうです。

 

マグロが「1億円」を超えると株価は2ケタ上がる?

景気がしっかりしていることを示唆する、ご祝儀価格的な高額の落札。

 

2008年から2025年までの18年間で一番マグロの価格(1kg当たり金額)が10万円以上は9回、そのすべてで、その年の日経平均株価はすべて上昇し、上昇率の平均は+23.5%となりました。また、マグロ初競り価格が1億円以上になった過去5回では、その年の日経平均株価は2ケタ上昇しています。ご祝儀価格的な高額の落札ができる年の景気はしっかりしていると考えられます。

 

最高値が2億700万円で、1kg当たり75万円になった2025年の日経平均株価は、前年末比+26.2%上昇しました。2026年も前年を上回るマグロの初競りの結果からは、日経平均の2ケタ上昇が期待されます。

 

(出所)各種報道
[図表1]築地市場・豊洲市場 マグロ初競り最高値と日経平均株価 (出所)各種報道

*2008年からの18年間でマグロ初競り価格(1kg当たり金額)が10万円以上だと、その年の日経平均株価は上昇(平均23.5%)

*豊洲市場での2019年からの7年間のマグロ初競り価格(1kg当たり金額)が10万円以上だと、その年の日経平均株価は上昇(平均18.8%)

※1億円以上のマグロ初競り最高値価格になると、その年の日経平均株価は2ケタ上昇

最強の辰巳に続く2026年、格言どおり「午尻下がり」は訪れるか

「辰巳天井、午尻下がり……」の格言、過去76年で午年の平均変化率は▲5.0%だが、過去6回は上昇年3回、下落年3回の五分五分。

 

「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」という十二支と株価との関係を表す格言があります。戦後の十二支ごとの平均データで確認すると、いくつか例外もありますが、おおむね格言どおりに株価が動いているといえそうです。

 

1950年から2025年データで日経平均株価・前年末比の76年間の平均をみると、上昇率の平均は+11.3%です。12年に1度、暦の上で回ってくる十二支ごとの日経平均株価・前年末比の平均をみると、全期間の平均を上回る十二支は、辰年(+26.7%)、子年(+22.5%)、卯年(+18.0%)、亥年(+16.5%)、酉年(+15.7%)、巳年(+15.2%)の6つ。逆に+11.3%を下回る6つの十二支には平均で2ケタの上昇率はなく、最も高くても申年(+8.8%)です。次いで未年(+7.9%)、戌年(+6.2%)。

 

ほとんど横ばいに近い十二支は丑年(+0.8%)、寅年(+0.2%)で、いちばん低いのが午年(▲5.0%)で格言のなかで唯一「下がり」と下落を示唆されている十二支といえます。

 

最近3年間(2023年~2025年)の日経平均株価・前年末比は、+28.2、+19.2%、+26.2%と2ケタの上昇率となりました。「卯」で跳ねたあと、「辰巳天井」となり、近年は格言どおりに動いたといえそうです。

 

出所:各種資料
[図表2]十二支と日経平均株価・前年比・平均 出所:各種資料
対象期間:1950年~2025年

 

午年でもマグロ効果で日経平均2ケタ上昇はおかしくない…データ平均値でみれば「午尻下がり」で格言は死守できる!

2026年の日経平均株価・平均・前年末比が仮に+20.0%になっても、戦後の平均データでみて、午年が「尻下がり」になることは維持される。

 

そこで心配されるのが、今年が午年で格言のなかで唯一日経平均株価・平均・前年末比が▲5.0%で「下がり」と下落を示唆されている十二支であること。戦後の6回の午年の日経平均株価・前年末比の上昇回数、下落回数をみるとともに3回ずつです。なお、ほかの十二支をみると寅年の下落回数が上昇回数を上回っている(上昇年の1986年が+42.6%と大幅上昇で、ほかの年がおおむね1ケタ下落)ことを除き、10の十二支は上昇回数が下落回数を上回っています。

 

出所:各種資料
[図表3]十二支と日経平均 上昇と下落の回数 出所:各種資料

 

ただし、午年の前年末比は1990年の▲38.7%の大幅下落が平均をマイナスに押し下げています。今年もマグロ初競りの結果からみて日経平均株価が前年末比2ケタ上昇になった場合、午尻下がりの格言が崩れるのか確認してみると、日経平均株価が前年末比+10.0%なら7回の前年末比平均は▲2.9%に、前年末比+20.0%なら7回の前年末比平均は▲1.5%になります。日経平均株価・前年末比平均でみて、午年が「尻下がり」になることは維持されるでしょう。

 

出所:各種資料
[図表4]午年の日経平均株価・前年末比 出所:各種資料

 

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。

 

 

宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。

 

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