(※写真はイメージです/PIXTA)

相続は、財産の多寡に関係なく家族関係を一変させることがあります。とくに子どものいない夫婦では、配偶者が亡くなったあと、思いもよらない人物が「相続人」として名乗り出るケースも少なくありません。穏やかだった日常が、一本の電話をきっかけに崩れていく——そんな現実に直面した女性の事例です。

「ホッとしている自分が、嫌でたまらない」

「義母が亡くなって、正直ホッとした自分がいるんです」

「そんなふうに思ってしまう自分が、心底嫌で……」

 

Aさんは、そう打ち明けます。

 

現在は、夫との思い出が詰まった自宅で、一人静かに暮らしています。

 

この事例は、決して特殊なものではありません。たとえ義家族との関係が悪くても、血族である以上、相続権そのものは消えないからです。

 

子どもがいない場合の法定相続順位は、配偶者 → 父母・祖父母 → 兄弟姉妹(甥・姪)。本事例でも、義母には相続権がありました。

 

「配偶者とはうまくいっていたけれど、義家族とはどうにも……」

 

そう感じている人は、少なくないでしょう。

 

本件では、遺言書があったことで最終的な決着はつきました。それでも、感情的な対立を完全に防げたわけではありません。

 

遺言書には、大きく分けて

 

●自筆証書遺言(民法968条)

●公正証書遺言(民法969条)

 

があります。

 

公正証書遺言は、公証役場に原本が保管されるため、紛失や改ざんのリスクが低いのが特徴です。また、自筆証書遺言についても、法務局で保管してもらえる自筆証書遺言書保管制度が始まっています。

 

相続の専門家の中には、こう語る人もいます。

 

「結局、財産を残さないのが、一番揉めない」

 

とくに不動産は、全員が納得する分け方が難しいものです。生前に資産を整理する、使い切るという選択も、“争いを生まない相続対策”のひとつと言えるのかもしれません。

 

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