忘れてはいけない「年金受給停止」の手続き
年金はその人が生存中にもらえるお金です。死亡した月の分はもらえますが、それ以降の月の分はもらえません。年金をもらっている人が亡くなったら、年金受給を停止する手続き(受給権者死亡届の提出)を必ずする必要があります。厚生年金は死亡後10日以内、国民年金は死亡後14日以内です。
この手続きをせずに、故人の口座に年金が振り込まれ続けた場合、その年金は後で返金する必要があります。もし、遺族が故人の死亡を故意に隠して年金をもらい続けた場合は、不正受給となり、刑事罰を受ける可能性もあります。
遺族の方は、別途、遺族年金をもらえますので、必ず年金受給停止の手続きをしましょう。
「繰り下げ受給」待機中に亡くなったら、年金の受取金は1,000万円超のケースも
年金をもらい始めるタイミングは、60~75歳の間で1ヶ月単位で自由に選ぶことができます。通常は65歳からもらい始めますが、65歳を過ぎてもらうことを「繰り下げ受給」といいます。
繰り下げ受給をすると、1ヶ月当たり0.7%年金が増額されます。最長で75歳まで10年間繰り下げることができ、その場合は84%増額されます。
繰り下げ受給をするには特に手続きは必要ありません。65歳になっても何も手続きをしなければ、自動的に繰り下げ状態となります(繰り下げ待機中)。そして、もらい始めたいタイミングで年金請求の手続きをすると、その時点で年金の増額率が確定し、以降、ずっと増額した年金をもらうことができます。
ところで、年金の時効は5年間ですので、繰り下げ待機中に、やはり繰り下げをやめたいという場合、5年前までさかのぼって年金をもらえます。その場合は、年金の増額率は5年前の時点になります。
もし、故人が年金繰り下げ待機中に70歳になる直前で亡くなったら、遺族は、65歳までさかのぼって最大5年分を受け取ることができます。
仮に、故人が受け取る年金が年間200万円だとしたら、5年分で1,000万円にもなります。かなりの金額ですね。
ただし、受け取った未支給年金は、受け取った人の一時所得になり、所得税と住民税がかかります。収入が多い人は所得税の税率が高くなり、税金も高くなりますので、ご注意ください。
高額療養費・高額介護サービス費・生協等の出資金は払い戻しに
「高額療養費」とは、病院や薬局で1ヶ月間に支払った医療費が一定金額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。本人の死亡後も請求することができます。期限は通常と同じです。
【届け出先】
国民健康保険の場合:お住まいの市区町村
健康保険の場合:健康保険組合、または、協会けんぽ
【添付書類】
・高額療養費支給申請書
・病院に支払った領収書
・亡くなった人との関係がわかる戸籍謄本 など(具体的な書類については、届け出先の指示に従ってください)
【期限】故人が診療を受けた月の翌月の初日から2年以内
「高額介護サービス費」とは、介護サービスを利用して、1ヶ月間に支払った利用者負担額が一定金額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。本人の死亡後も請求することができます。
【届け出先】お住まいの市区町村
【添付書類】
・高額介護サービス費支給申請書
・亡くなった人との関係がわかる戸籍謄本 など(具体的な書類については、届け出先の指示に従ってください)
【期限】故人がサービスを利用した翌月の1日から2年以内
生協、共済などは加入するときに出資金を拠出しますが、脱退すると全額返還されます。本人が亡くなると、自動的に脱退となりますので、その出資金が戻ります。
下記のように様々なものがありますので、手続きを忘れないようにしましょう。
・生協(消費者の生協、労働者の生協、大学・学校の生協、自治体職員の生協など)
・共済(都道府県の共済、損害補償の共済など)
・農協 など
失業保険を受給していた人が亡くなったときは、亡くなった前日までの未支給分の失業手当を受け取ることができます。教育訓練給付金、高年齢雇用継続給付金、育児休業給付金についても同様です。
