「買えるけど買わない」亮さんが持ち家を選ばない理由
亮さんが持ち家を選ばない理由には、「資産と生活の分離」を意識した考え方もあるようです。
「7,500万円のうち、3,000万円は個人向け国債と定期預金、残りは投資信託と株です。家を買うと、これが一気に“コンクリート”に変わるでしょ。それがどうにも怖い。現金性がないと、老後の介護や病気のときに柔軟に動けないですから」
国土交通省の調査でも、高齢期の住まいに関する不安として「家の老朽化への対応」や「バリアフリー化にかかる費用負担」を挙げる声は多く、住宅が“資産”であると同時に“負債化”する側面もあることがうかがえます。
「一番避けたいのは、“自宅を売らなければ入院費が払えない”みたいな状態になることなんです。資産があっても、それがすぐに使えないなら、ないのと同じかもしれない」
亮さんのように、金融資産を蓄えながらも「マイホームを買わない」という選択をする人は、少数派かもしれません。けれど、「家を買わない=貧しい」「資産があるなら買うべきだ」という価値観そのものが、もはや時代遅れになりつつあるのかもしれません。
「別に一生ここに住むとは思ってないですよ。将来は実家をリフォームして住むのもありかなって。でも今は、“必要以上の責任”を背負いたくないだけ。老後に不安がないように、むしろ“動ける状態”を保っておきたいんです」
「買えるけど買わない」。その選択の背景には、資産の多寡よりも、「どんな老後を生きたいか」という価値観がはっきりと見えていました。
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