(※写真はイメージです/PIXTA)

「愛さんは、いつ仕事を辞めるの?」義実家で義母から投げかけられたその一言が、正木愛さん(42歳・仮名)の中に強い違和感を残しました。フルタイムで働き年収は800万円。独立後に収入が下がった夫より、いまは妻のほうが多く稼いでいます。それでも家事は当然のように妻任せで、休む余裕はない。「年収が逆転しても、誰かが無理をする前提は変わらない」。そう気づいた愛さん夫妻が、家事を夫婦の中だけで抱え込まない選択をした背景とは。

年収は逆転したけれど…妻が抱いた違和感

愛さんが家事代行という選択にたどり着いた背景には、「年収」と「家事」を安易に結びつけたくないという思いがありました。

 

「実は少し前までは、私のほうが年収は低かったんです。その頃は、“自分のほうが家事を頑張らなきゃ”と思って、無理をしていました」

 

しかし、いざ収入が逆転してみると「だから次は夫が多く家事をすべきだ」とは考えなかったといいます。

 

「家事や家のことは、本来、家族みんなで支えるもの。年収の差で負担割合を決めるのは、違うと思ったんです」

 

誰かに無理を押し付けるのでも、我慢を続けるのでもない。その“間”にある現実的な選択肢として、愛さんが選んだのが、外の力を借りることでした。

 

家事代行は、楽をするためのものではありません。愛さん一家にとってそれは、家族のバランスを崩さず、生活を続けていくための「調整役」でした。

 

正月の衝突はつらい出来事でしたが、愛さんはこう言います。

 

「私たちの暮らしを守るために、必要な出来事だったのかもしれません」

 

価値観が変わる時代の中で、家族の形もまた、静かにアップデートされているのです。

 

 

[参考資料]

ミツモア「家事負担」に関する調査レポート

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