カスハラ対策において企業が実施すべきこと
カスハラが発生した際の対応におけるポイントとして、「迅速かつ適切に対応することができるかどうか」という点が挙げられます。そのために企業が実施すべきことについて具体的に触れていきます。
■対応マニュアルの作成
企業としてのカスハラへの対応方法を従業員へ周知・浸透させることが必要です。予め、対応における方針や基準、手順が定まっていることで迅速に対応することができ、対応方法を都度検討する必要が無いことから精神的ストレスの緩和を期待することができます。
また、業種によってカスハラのパターンに傾向があるため、従業員から寄せられる、よくあるカスハラとその対応方法を整理しておくことが重要です。
■カスハラに関する社内研修
企業は、従業員にカスハラの対応方法や同業種でのカスハラ事例の共有と適切な対応方法について研修を行うことも検討しましょう。マニュアルの作成はもちろんですが、従業員に浸透させていくための方法として研修を実施し、具体的な対応方法・手順を伝えましょう。
■相談窓口の設置
一般的なハラスメント窓口と同様に、カスハラに関する悩みや不安を相談できる窓口を設置し、従業員が安心して相談できる環境を整えましょう。担当者、対応方法、対応時間等を定めて従業員に周知し、カスハラを実際に受けて困った際には相談できるような体制を整える必要があります。
■クレーム内容の社内共有
カスハラ対応におけるマニュアル作成にも共通しますが、カスハラが発生した後には当該事例を社内共有し、今後どのような対応をするべきか、周知しましょう。それによって同様のトラブルが発生した際にはすぐに対応することができるようになり、企業としての対応方法を画一化することが期待できます。
■外部の専門家への相談
クレームの内容によってはすぐに不当であるかどうか、正当性のない要求であるのか、判断が難しいケースもあります。正当なクレームであるにもかかわらず、カスハラとして対応をしてしまった場合、企業のイメージを悪化させるリスクがあるため、迅速かつ適切に対応方法を検討、そして実行する必要があります。
そこで、顧問弁護士のような外部の専門家を活用することで、法的なトラブルを予防することが可能となります。従業員では対応が難しいようなケースや裁判に発展した場合は弁護士に対応を任せることも可能ですので、精神的ストレスの削減、無駄な業務の発生を抑えることが期待できます。
カスハラを受けている当事者(従業員)に向けて
カスハラは「我慢すべき接客」ではありません。理不尽な要求や暴言に耐えることは、仕事の一部ではなく、企業が守るべき問題です。
もし「これはおかしい」と感じたら、ひとりで抱え込まず、社内の相談窓口や上司、外部の支援を頼ってください。あなたが安心して働ける環境を整えることは、企業の責任です。
森 大輔
森大輔法律事務所 代表弁護士
