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老後に都心の自宅マンションを売却…売却益に所得税はかかる?
80歳になったAは夫とふたりで生活を続けていますが、個人事業で行う仕事も年齢的に限界を感じ始めました。
年金は受給しているものの、物価が高騰し生活費が上昇している令和時代です。普通に都心で生活するには十分とはいえません。投資信託や株式などの資産はそれなりにありましたが、運用を続けており、すぐに全額を取り崩すつもりはありません。
49年前に夫名義で購入したマンションの築年数はだいぶ増えましたが、築数十年でも、いまはそれなりの価格で売れると知りました。
そこでAは、所有していたマンションを売却し、その代金をいつまで続くのかわからない今後の生活費にあて、賃貸住宅に夫婦で引っ越すことにしました。売却益は2000万円程度になりそうです。
Aの夫が売却したマンション。売却益に課税はされるのだろうか?
個人が所有するマンションを売却して得る利益は、資産の譲渡による所得として「譲渡所得」の課税対象だ。譲渡所得は、所得税法のルールでは、原則として、譲渡収入(売却代金)から取得費と譲渡費を差し引いて(さらに50万円の特別控除もある)、譲渡所得の額を計算する。
取得から5年以内に売却した短期譲渡所得にはないが、取得から5年を超えてから売却した長期譲渡所得の場合は、その所得の額の2分の1のみが課税対象になる。
こうして計算された課税対象の所得の額に、累進税率を適用して所得税の額を計算するのが、車の売却などの譲渡所得では原則である(総合課税)。
不動産の売却は、特例で税負担が軽減される
もっとも、上場株式の売却や、土地や建物などの不動産の売却については特別控除や税率などの特例があり、税負担の軽減が図られている。
まず、居住用の不動産(マイホーム)を売却して利益を得た場合、3000万円までは特別な控除を受けることができるため、所得税の負担は生じない。Aの夫の場合は、2000万円程度の売却益だから、譲渡所得の課税はされないだろう。また、3000万円を超える売却益があっても、土地や建物などの不動産を売却した場合の譲渡所得は、他の所得とは分離されて計算される(分離課税)。
適用される所得税の税率も累進税率ではなく、一律の税率だ。 具体的には、短期譲渡所得は30%、長期譲渡所得は15%である(ただし復興特別所得税2.1%が別にかかるのは、通常の所得税と同様だ。また、前者には9%、後者には5%の住民税もかかる)。一定の要件に該当するマイホームを売却するときには、さらなる軽減税率もある。
今後、A夫婦はあらたに賃貸住宅に住むようだ。毎月支払う賃料に消費税はかからない。事業で使う事務所用の賃貸物件には消費税の支払いが必要だが、生活用の賃貸物件の賃料では消費税は発生しないのだ。
