「世界一周をやめろ、という話ではありません。ただ…」
「旅の思い出は、確かに今も支えになっています。でも、急な出費に対応できない不安は、想像以上に大きいですね」
現在は、外出も最小限にし、食費や光熱費を細かく管理する生活。将来の介護や施設入居について考える余裕は、正直ないといいます。
「もし今、同じ選択をするかと聞かれたら……たぶん、全部は使わなかったと思います」
理恵さんは言います。
「世界一周をやめろ、という話ではありません。ただ、全部を使い切る必要はなかった」
老後資金は、「使うか・使わないか」という二択ではありません。一部を経験に使い、一部を“安心の余白”として残す――その配分が、後の生活を左右します。
「今しかできないことをした。それは事実です。でも、“数年後の自分”のことを、もう少し想像してもよかった」
理恵さんの選択は、無謀だったとは言い切れません。ただ、その代償が、時間をおいて静かに表面化しただけでした。
老後のお金は、金額の大小よりも「使った後に何が残るか」で評価されます。思い出と同時に、選択肢も残しておく――それが、後悔を減らす一つの視点なのかもしれません。
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