50代~60代での「容赦ない収入減」の現実
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査によると、役職定年制を導入している企業は約3割。導入年齢は55歳前後が多く、役職定年後は年収が1~3割程度減るのが一般的。
なかには3割を超えるケースもあり、佐藤さんは実に360万円もの減少。「60歳以降、継続雇用になれば収入が下がるのは覚悟していた。でも、その手前でここまで減るなんて」と肩を落とします。住宅ローンは残り12年。教育費もまだかかる。老後資金として積み立ててきたはずの計画は、前提から崩れてしまいました。
さらに、佐藤さんがショックを受けたのは、会社からの評価です。古き良き年功序列の慣習が色濃い社風に甘え、資格取得や社外人脈づくりに本腰を入れてこなかった。その結果、役職を外れた途端、社内での価値が一気に下がったことを突きつけられました。
本人は真面目にやってきた思っていても、それは“ごく当たり前”のことで、評価されるポイントではなかったのです。
とはいえ、同じ条件で雇ってくれる会社があるとは思えず、転職は「無理」と判断。副業経験もなく、専門性も乏しい。選択肢は想像以上に限られていました。
「今の仕事を続けますが、60歳以降は下がった給料を基準に、さらに下がるんですよ。どうしたらいいんだか……」
「長く働きたい」の前にやっておくべきこと
役職定年制度のある会社に勤めていれば、事前にそのことは把握できます。その点、佐藤さんは、突然の制度導入と収入減という不幸なケースだったといえるでしょう。
ですが、役職や年収が下がっても成立する生活設計や、年齢に依存しない価値づくりを後回しにしたまま50代後半を迎えた結果、厳しい現実を突きつけられたともいえます。
内閣府の調査では、「70歳くらいまで働きたい」「働けるうちはいつまでも」と答えた人は4割を超えています。一方で、収入がいつ・どれぐらい減るのか。具体的にイメージできていないケースも少なくありません。
自分の収入がどのように変化していくのか。この先、どんな形で、どんな条件で働くのか。そのために今何をしておくべきなのか――。「長く働きたい」と考えているのであれば、準備はできるだけ早くからしておく。これだけは間違いありません。
出典:令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)
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