(※写真はイメージです/PIXTA)

円安が加速する昨今において、円の価値が下がっていることを日常生活で痛感をしている人も多いでしょう。たとえば、海外旅行にかかる費用は、以前と比べるとかなり高騰しています。また、ビッグマックのように世界の多くの国で愛されている商品を購入することでも、各国のお金の価値や物価を知ることにつながるはずです。本記事では、池澤摩耶氏の著書『元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育』から、「ビッグマック指数」を例に日本円を取り巻く現状について解説します。

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「ビッグマック」で比較する世界のお金の価値

じゅう〜っと焼けるパティの音、ふわっと香るごまバンズ。どこに行っても同じ安心感。世界約120の国と地域に、4万店以上を展開するマクドナルド。その看板メニュー「ビッグマック」は、半世紀以上にわたって、世界中で愛され続けているロングセラーです。

 

今、日本でビッグマックを買うと約480円(2026年時点)。でもスイスでは、同じビッグマックがなんと1200円以上もします。

 

「えっ、同じハンバーガーなのに? どうして?」

 

その疑問が子どもから出たら、もう“経済的な視点”を持ち始めている証拠。

 

同じ商品、つまり、ビッグマックが国ごとにいくらで売られているか。それを比べることで、各国のお金の価値や物価の違いが見えてくる。これが「ビッグマック指数」と呼ばれる、ちょっとユニークな経済のものさしです。イギリスの経済誌『エコノミスト』が86年に考案し、今でも毎年発表されています。

 

アメリカのビッグマックの価格を基準に、他の国の価格がそれより高ければ「その国の通貨は割高(購買力が強め)」、安ければ「割安(購買力が弱め)」と見る考え方です。これは「為替レートだけでなく、物価水準の違いも反映されている」点がポイント。

 

たったひとつのハンバーガーを通して、通貨、物価の国際比較ができる。なんだか難しそうに見える経済の世界が、急にぐっと近づいてくるでしょう。

 

「次の旅行で、ビッグマックが何円か見てみようよ」

 

きっとそんな親子の会話から、世界のお金への好奇心は始まります。

 

ちなみに、この「ビッグマック指数」で基準となる、マクドナルド発祥の地・アメリカのビッグマックの価格は、2024年当時で1個あたり約5.79ドル。日本円にしておよそ894円(※当時の為替レート)でした。

 

出典:Our Big Mac index shows how burger prices differ across borders (The Economist) ※BMI(ビッグマック指数)はUS
[図表1]「ビッグマック指数」および「ビッグマック価格」ランキング(2025年1月発表) 出典:Our Big Mac index shows how burger prices differ across borders (The Economist) ※BMI(ビッグマック指数)はUS

 

でも、同じ年にフランスに行ったとき、パリのシャルル・ド・ゴール空港でマクドナルドに入ってビッグマックを注文したら、なんと7ユーロ超え! 日本円で1100円以上(※2024年当時の為替レート)です。あれ、日本で食べたときは450円(2024年時点)くらいだったのに? と、思わず親子で顔を見合わせました。

 

同じ商品でどうしてこんなに値段が違うの? その理由は、まさに「通貨の力」にあります。アメリカのビッグマック価格を基準に、それよりビッグマックが高ければ「その国のお金は強すぎ(=過大評価)」、安ければ「弱すぎ(=過小評価)」と見なされます。理想は、世界中どこで買っても同じ価格になることですが、実際は各国の通貨の価値にばらつきがあるため、そうはならないのです。

 

たとえば、2025年1月の為替レートは1ドル=約154円。でも、ビッグマックが日本とアメリカで同じ価値になるためには、1ドル=約83円であるべき、という試算があります。この差はかなり大きいですよね。

 

つまり、今の日本円は「世界の中でだいぶ弱くなっている」ということ。おそらく、そんな話を教科書で見てもピンとこないけれど、旅先のマクドナルドで実際にお財布を開いたら、「え、これって高くない?」「円ってこんなに弱かったの!?」と、実感を持って学ぶことができます。

 

そう考えると、ビッグマックはただのハンバーガーじゃなくて、世界経済の“味見”ができる、おいしい教科書なのかもしれません。

 

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※本連載は、池澤摩耶氏の著書『元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育』(光文社)より一部を抜粋・編集したものです。

元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育

元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育

池澤 摩耶

光文社

電子マネーですべての決済が完結する世に生まれ、生きていかなければならないのが「α世代」(2010年以降生まれ)。 そんな世で「お金」というものをどう説明し、取り扱わせるか。 親自身のマネーリテラシーや投資への知識が…

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