我慢の限界と「二度目の自立」への決断
ついに宮内さんが声を上げたのは、同居から1年が経った頃でした。
「“少しだけ”と言っていたけど、もう1年経つよ。仕事はどうするつもりなんだ」
返ってきたのは、思いもよらぬ言葉でした。
「家賃払わなくていいし、ここでずっと生活できたらラクだなって、最近思ってた」
これには綾子さんも、初めて声を荒げたと言います。
「“親なんだから、何でも受け入れるのが当たり前”なんて顔をされて、ショックでした。都合のいい避難所にしないでほしいんです」
宮内さん夫妻は、娘との再度の話し合いの末、「半年以内に家を出ること」を約束。娘は今、就職支援サービスを受けながら再び自立への準備を進めているそうです。
「親子だからって、どこまで支え合えるかはケースバイケースです。“老後も子どもと一緒に”と夢見る気持ちもわかります。でも、現実には“同居が負担になる”ことだってあるんですよ」
そう話す宮内さんの言葉には、穏やかながらもどこか諦めに近い重みがありました。親子の距離感が問われる時代――“支える”と“依存”の境界線を見極める目が、今後ますます必要とされていくのかもしれません。
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