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企業型確定拠出年金が、「自立した人材」をつくるきっかけに
そして、従業員が自分自身のお金について考えるようになったり、資産運用に対して興味を持ったり、お金のことを勉強したりと、さまざまな効果も生まれてきます。
実際に企業型確定拠出年金を導入している企業の従業員からは、「将来や投資について考えるようになった」「退職後の生活設計や老後資金を考えるきっかけになった」「企業型確定拠出年金加入を機に投資をはじめた」などの声はよく聞かれます。中には、「新聞をよく読むようになった」という方もいます。
自分のお金のことを自分で考えたり、運用を自分でやっていけるようになることは、お金の不安なく、豊かな人生を歩んでいくためには必要なことです。
企業型確定拠出年金が金融リテラシーを高め、お金の面で自立した人材へと成長を促すきっかけを与えたわけです。
会社が守るというより、自分で自分を守れる強い個へと成長していってもらうことこそ、真の意味で従業員のためなのではないでしょうか。そのように成長できれば、回り回って、本業にもプラスの効果は間違いなくあるはずです。
社員の貢献に“即時払い”で応える…ユニクロが予見した日本の未来
日本で企業型確定拠出年金が導入できるようになったのは2001年で、当初は、個人が拠出するかどうか、金額をどうするか、などは選択できず、会社が決めるもの、という状態でした。実は、今でいう“選択制”の企業型確定拠出年金を日本で一番初めに導入したのはユニクロでした。
当時、ユニクロの人事執行役員であった松岡保昌さんは、次のような世界観を持ち、“選択制”での導入を厚労省と交渉したそうです。
「社員の企業への貢献に対しては、即時払いの報酬で応える。その報酬を老後に備えて蓄えたい社員もいれば、いま使いたい社員もいるだろう。それを決めるのは社員本人。自分の人生やライフプランは社員が自分で考えることで、会社が決めることではない。だから確定拠出年金に加入するか、加入しないかも社員が自分で決めてほしい。自分の将来を自分で考える力を当社は社員に求めている」
その結果、厚労省は日本で初めて“選択制”での導入を認めて、今に至ります。松岡さんは、約20年も前から今の「働く期間が長くなり、多くの人が50年近く仕事をする時代」の到来を予見していました。
「50年という数字は、下手すると企業の寿命より長い。そんな時代、会社としては、保証を与えるより、強い個になるための支援をしていく、という発想が必要だ」と考えたわけです。
また、転職などが当たり前の時代、従業員をグリップする(関係性を維持する)施策を講じないと優秀な人からどんどん離れていきます。
「社員をきちんとグリップするためには、会社としての社員に対する想いや考え方を示していかなければいけません。福利厚生の充実はその一環と捉え、真摯に取り組んでいかなければいけません」(松岡さん)
これからの経営を考える上で、「自立した個になるための支援を会社がする」「社員への想いや考えを示し社員をグリップする」というような考え方は、参考になるのではないでしょうか。
ぜひ、皆様の会社にも活かしていってください。
岩崎 陽介
株式会社Financial DC Japan
代表取締役社長
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